英国ではガソリン危機が続いており、週末には数千か所の給油所でガソリンが底をつきました。英政府はドライバーにパニック買いを止めるよう呼びかけています。また、タンクローリーの運転に陸軍を投入する予定は、今のところないとしています。
この週末、数千か所のガソリンスタンドでガソリンが枯渇しました。ジョージ・ユースティス環境大臣は、ドライバーにパニック買いを止めるよう呼びかけています。
英国 ジョージ・ユースティス環境大臣
「ガソリンは十分にある。製油所の生産量は通常レベルにあり、店頭でもガソリンは十分あります。何より大事なのは、誰もが普段通りにガソリンを購入することだ。不不足しているわけではありません。今回の問題の原因はパニック買いです」
ユースティス大臣は、EU離脱が今回の危機の一因であることを否定しています。
英国 ジョージ・ユースティス環境大臣
「今回の一連の問題の最大の要因は新型コロナウイルスだと思います。世界中で目にしているように、サプライチェーンの混乱、労働力不足など、世界全体がパンデミックの影響から抜け出すために、かなりの混乱が生じています」
ユースティス大臣は、政府がタンクローリーの運転に軍を投入する計画は今のところないと述べています。
英国 ジョージ・ユースティス環境大臣
「しかし、陸軍には民間の緊急事態に対応する部署があり、必要に応じて待機しています。現時点でそれが必要かどうかは分かりません」
産業界のリーダーたちは、軍に召集をかけてもこの燃料危機は解消しないと警告しています。
しかし、環境大臣は国防省(MOD)がタンクローリーの運転手不足の問題を解決するために協力していることを認めています。
英国 ジョージ・ユースティス環境大臣
「私たちは重量物運搬車(HGV)の運転教習を少しでも加速するために、国防省(MOD)の教官を投入している。運転免許試験を受けようとする人々に便宜を図る必要がある」
ガソリンスタンドでは長蛇の列が続いています。ロンドンでは、ドライバーたちが満タンまで給油できないことに不満をこぼしています。
給油に並んでいるドライバー
「馬鹿げている。仕事に行く途中、今来たところだ。燃料はもう20マイル(32km)分しか残っていない。私が住んでいるミルトン・ケインズでは燃料が手に入らない。ここで降りて、列に並ぶしかない」
給油に並んでいるドライバー
「ガソリンが要る。仕事の時間なのだが、今何時か見てみろ。酷い話だ。昨夜もここに来てみたが、今と同じだった。他の3つのガソリンスタンドに行ってみたが、どこも閉まっていた」
先週末、政府は石油業界が情報を共有できるように、競争法の適用を一時停止しました。
これにより、石油会社はガソリンが不足している地域を特定することができます。
また、政府は運転手不足の事態を改善するために、5千人の外国人大型トラック運転手に3か月ビザを発行する予定です。