フランス国防省が管轄するフランス軍事学校戦略研究所(IRSEM)が9月20日に発表した、中共の影響力に関する分析報告がセンセーションを巻き起こしています。この報告書では中共が世界規模で試みている、世界に影響力を与える方法や各国への浸透方法、世界をコントロールする方法を全面的に明らかにしています。フランスの複数のメディアはこの報告書について次々と報じています。
646ページにわたる報告書は、50人余りの専門家が2年間かけて調査研究を行って、フランス軍事学校戦略研究所のジョンジェネ・ヴィルメール校長と、情報・中国問題専門家のポール・シャロン氏が執筆しました。調査中、フランス国防省調査報告専門家チームの総責任者は、すべての親中派研究者、中国研究者、親中派の研究所と政治家と意図的に距離を置きました。
600ページを超える報告書では、四つの分野から中国政府が近年、影響力を拡大するために行ってきた、広範で深い世界規模のネットワークについてまとめられています。
中共は脅迫やコントロール、ミスリード、抑圧や相手を惑わすなどして、中共の存続と覇権に脅威をもたらす可能性のある相手に対峙してきました。中共は外交やメディア、大学、華僑、文化といった分野を切り口にして西側諸国に徐々に浸透し、世界中に中共のプラスの印象を与えていました。
報告書では、中共が法輪功迫害を専門に行うために設置した「610弁公室」、生きた人間からの臓器強制摘出や臓器売買といったおぞましい手段、海外での孔子学院やファーウェイの基地局の設置、各国政府に不当な圧力をかけて法輪功に対するネガティブキャンペーンを行う、華僑を買収して新唐人テレビが現地のテレビネットワークに参加するのを阻止させる、神韻芸術団の海外公演を邪魔させるといった、一連の醜態についても記されています。
この報告書が発表されるとフランスメディアは大きく注目し、主流メディア30社あまりが様々なタイトルを付けて続々と報じました。
ラ・リベラシオン:「影響力のための行動:中共の『三つの戦い』」
ル・モンド:「 中国はその力を発揮するため、いかに影響力戦争を強化しているか」
キュルチュール:「中国の影響力戦略:巨大なネットワークで今、自身を世界のその他の地域に押し付けたいと考えている」
フランスインフォ:「中国の影響力ネットワーク:スウェーデンと台湾は中国の主な目標の一つ」
中共駐フランス大使館は、報告書が発表された翌日に取材を受けた際、中共と中国の違いを意図的に混同させる言い回しを使って、「これはあからさまな反中・中傷行為だ」と反論しましたが、報告書に記載されている膨大な事実については触れませんでした。
フランス国防省の調査報告専門家チームは、この報告書を発表する際に、この報告書に記されていることは中国ではなく中共に関することだと特に強調しました。