LinkedIn(リンクトイン)に関するニュースです。プロフェッショナルネットワーキングサイト(ビジネス特化型SNS)であるLinkedInは、「禁止された内容」を含むという理由で、複数の米国人ジャーナリストのプロフィールを中国でブロックしていることが明らかになりました。
その一つが、ニュースサイトAxios(アクシオス)の中国問題担当記者であるベサニー・アレン・エブラヒミアン氏のプロフィールです。
エブラヒミアン氏は、「以前は、中国(共)政府の検閲官や中国で中国企業に雇われた検閲官が出てきてこのような検閲を行っていたものだが、今では米国の会社が自社の社員を使って米国人を検閲している」とツイートしました。
同じくプロフィールをブロックされた別の記者も、ブロックされた理由は「亡命中のウイグル人に関する今年の記事から、民主主義についてのエッセイに至るまで、様々なことが考えられる」とツイートしています。
LinkedInによると、中国でブロックされているユーザーのプロフィールは、LinkedInが事業を展開している他の国々では正常に表示されるとしています。
擁護団体は、懸念を表明しています。
米非営利団体ペンクラブ(PEN America)の最高経営責任者(CEO)は声明の中で、「もしLinkedInの行動が常態化すれば、世界中の企業に、北京の検閲要求を全世界で実行することはビジネスとして当然であるというメッセージを送ることになる」と述べています。
中国はユーザー数の点でLinkedInの最大拠点の一つであり、中国で事業展開を認められている唯一の米大手ソーシャルメディア企業です。しかし、そのためには中国で自身のユーザーを検閲するという代償を伴います。
これに対して、FacebookやTwitterのように中共の検閲を拒否したハイテク企業は、中国でいまだにブロックされています。
LinkedInは、マイクロソフトが所有しています。
昨年、北京当局はLinkedInに対し、40回以上もコンテンツの削除を要求し、LinkedInはそのほとんどを削除しました。
しかし、中共当局はLinkedInによる検閲がまだ不十分だと考えているようです。ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、今年3月、中共当局はコンテンツ規則のことでLinkedIn社を召喚し、30日以内にウェブサイト上の不適切なコンテンツを一掃するよう命じました。
その3か月後、複数の学者や記者が、自分のプロフィールが敏感なキーワードを含んでいるという理由で中国でブロックされていることに気づきました。
そのうちの1人はTwitterに、「私はLinkedInプロフィールの『学歴』の項目で、中国近現代史の学位論文で天安門事件をテーマにしたと記している。LinkedInは中国のユーザーに対して私のプロフィール全体を検閲するという対応を示した」と投稿しています。