米麻薬取締局(DEA)は、売人810人以上を逮捕し、180万錠以上の偽薬を押収したと発表しました。これは2か月に及ぶ違法フェンタニルの一斉取り締まりの成果の一端です。
米国連邦検事総長代理 リサ・O.モナコ氏
「米国に持ち込まれた偽薬は、メキシコで違法に製造され、その原料となる化学物質は中国企業が供給している。私たちは目下メキシコと緊密に連携して、製造元の実験室を閉鎖するべく協力を求める」
米麻薬取局長官 アン・ミルグラム氏
「この一斉捜査で押収したフェンタニル及びフェンタニル入り錠剤は、メキシコのシナロアとCJNGの麻薬カルテルによって大量生産されたものであることを理解しておくことが重要です。これらの組織は、米国の路上に氾濫している麻薬を製造している犯罪組織であると考えられる」
当局は、米国全土の都市、郊外、農村で、810人の麻薬売人を逮捕しました。
フェンタニルは、米国における過剰摂取による死亡事例の急増の原因であるとされています。
フェンタニルは、かつては主にヘロインに混ぜて使用されていましたが、現在では、処方薬であるオキシコドン錠剤の色や印と酷似した青色の錠剤に成型されて使用されることが多くなっています。
米司法長官代理は声明で「2020年に米国で発生した93,000件以上の薬物過剰摂取による死亡事例のうち、4分の3近くがオピオイド(合成麻酔薬)によるものだ」と述べています。
米麻薬取締局の検査によると、フェンタニル入りの偽薬10錠のうち4錠に致死量が含まれています。
米中経済安全保障問題検討委員会の報告によると、中共当局が2019年にフェンタニルを禁止したにもかかわらず、中国は依然として米国で密売されている違法フェンタニルの最大の供給源です。