ニューヨーク州の医療従事者は、宗教上の理由によるワクチン義務の免除を申請できるようになりました。これはある団体が9月29日に訴訟を起こした結果です。
原告側弁護士に話を伺いました。
米国の非営利団体「我ら米国愛国者(We the patriots USA)」が、ニューヨークの連邦裁判所で訴えを起こしました。同団体は審問(ヒアリング)で義務化を一時的に差し止める仮処分命令を勝ち取り、ニューヨーク州は当面宗教上の理由による免除を認めています。そして2週間後、再びニューヨーク州を相手に法廷に立ちます。両陣営とも何故宗教上の理由による免除が認められるべきなのか、あるいは認められるべきではないのかについて弁論を行います。
レポーター
「ニューヨーク州は、宗教上の理由による免除を永続的に認めると思いますか?」
原告側弁護士 キャメロン・アトキンソン氏
「私たちは第2巡回裁判所か連邦最高裁判所かのいずれかで勝訴することを確信しています。憲法修正第1条の規定は明白です」
憲法修正第1条は、人々が自由にその宗教を実践することを認めなければならないと規定しています。
自由な宗教実践を規定する条項にはこう書かれています。
「本条の規定の目的は個人における宗教の自由を保証することであり、そのために民生権限による宗教の自由の侵害を禁止するものである」
宗教信者の中には、ワクチンに中絶胎児由来の細胞株が使われているとして、ワクチンに反対している人もいます。
しかし、自由な宗教の実践を定めた条項には「宗教の実践が『公共のモラル』又は『やむを得ない』政府の利益に抵触しない限りにおいて」、この条項の規定が有効であると記されています。
そのため、連邦最高裁は1944年に、宗教上の理由で両親が反対しても、州は子供たちに強制的に予防接種を受けさせることができるとした判決を下したことがあります。