中国の各地で電力危機が発生し、北京市でもライトショーの一時停止と、夜間の照明のカットが提起されています。これと同時にロシアの電力会社は10月から黒竜江省に向けた電力供給を増やす予定ですが、中国北部の電力不足はこれで解消されるのでしょうか。
電力不足が中国全土を襲っています。北京市の一部地区で計画停電が実施されるとの話がネット上に広まり、市民は憂慮しています。北京国家電網公司は、よくある「計画点検」であり、電力供給には影響しないと急いで発表しました。
10月初めの連休期間中、上海、広州、深圳で花火が一時中止になったほか、中央精神文明建設指導委員会弁公室も、北京市全体でライトショーの一時停止と、夜間の景観照明の点灯時間の短縮を提唱しました。
ロイターは、ロシア国営のインター統一電力(Inter RAO)は中国のリクエストに応じて10月から電力供給を2倍にすると報じました。この会社はロシアと中国を結ぶ送電線を3本保有しており、年間70億キロワットの送電が可能だと分かっています。
今回の電力危機が発生する前、ロシアの中国向けの輸出電力は実際には減少していました。
米国のプリンストン・チャイナ・イニシアチブの陳奎徳(ちん・けいとく)代表は、電力供給が2倍になったとしても、中国は電力を膨大に消費しているため焼け石に水だと指摘しています。
プリンストン・チャイナ・イニシアチブ 陳奎徳代表
「ロシアが70億キロワットを超える大規模な電力供給能力を持っているかどうか、これはロシア自身の総体経済に関係する。つまり、これは広東省の総体経済と同じ規模だ。よってロシアの電力供給力がいくら強くても、中国への電力供給が、東北地方だけでもやはり下がっているので、中国全土の問題を解決することは不可能だ」
中共と豪州の関係が悪化した後、ロシアはさらに中国への天然ガス、石炭、農産品の輸出を拡大しました。
大紀元のコラムニストで作家 王赫氏
「ロシアが中国向けの電力供給を大幅に増やした場合、経済面では中共をゆすることができるが、中共への依存度が高まるという問題が浮上する。ロシアはそれは望まないだろう。中共にとっては、ロシアから大規模な電力供給を受けた場合、ロシアへの依存度が高まり、ロシアに中共のエネルギーの首根っこを掴まれることになる。この点は、中共も受け入れられない」