米司法省は、学校の教職員や教育委員会メンバーに向けられた一部の保護者からの脅威に対処する取り組みを開始しました。この動きは、全米教育委員会協会(NSBA)がバイデン政権に支援を要請したことを受けたものです。しかし、一部の共和党議員は、この動きは保護者を威嚇し、言論の自由を行使させないようにする作戦であるとしています。
メリック・ガーランド米司法長官は10月4日、FBIと連邦検事に連邦政府、各州、各地方自治体の指導者と会合を開き、学校の管理者、教育委員会メンバー、教員に対する脅迫に対処するための戦略について話し合うよう指示しました。
ガーランド司法長官はその理由として、ここ数か月の間に「嫌がらせ、脅迫、暴力の脅威が急増している」ことに言及しました。
この動きは、全米教育委員会協会が連邦政府に支援を要請してから僅か4日後のことでした。同協会によると、全米各地の教育委員会はパンデミック対策の規制措置や批判的人種理論のカリキュラムに反対する暴力的な脅迫が増加しているといいます。
しかし、この動きは保護者に憲法修正第1条の権利を行使させまいとするバイデン政権の試みであると批判されています。
共和党のジョシュ・ホーリー上院議員は、10月5日の上院公聴会でリサ・モナコ司法長官代理を追及しました。
ミズーリ州共和党 ジョシュ・ホーリー上院議員
「もしこれが、保護者の気勢を削いで、彼らが選出した教育委員会の会議に出席させないようにする意図的な試みでないとしたら、いったい何だというのですか!こんな話、米国の歴史の中で聞いたことがありません。私たちはFBIの話をしています。FBIを使って教育委員会の会議に介入していのです。これは異常です」
司法長官代理 リサ・モナコ氏
「上院議員、失礼ながら私は賛成しかねます。そういうことではなく、つまり・・・。司法長官の覚書が明確にしているように、暴力は不適切であり、要はあらゆる問題について活発な公開討論を行うことは、この国の全てのあり方に関わることです」
フロリダ州のロン・デサンティス知事は10月4日、司法長官が司法省を武器にしていると非難し、ツイッターで「ガーランド氏は、FBIを使って懸念を抱く保護者を追及し、脅迫によって彼らを黙らせることで、司法省を武器にしている」と述べています。
デサンティス知事は、フロリダ州は言論の自由を守り、「連邦機関が異論を圧殺することを許さない」と宣言しました。
米司法省によると、問題を起こした保護者を起訴するために連邦政府のリソースをどのように使用するかを決める対策本部を立ち上げるなど、脅威に対処するための更なる取り組みが数日中に開始されるとしています。