ガス価格高騰ーEUと英国のエネルギー危機

オランダ英国の天然ガス先物価格はこの2日間で60%も高騰し、現在のエネルギー危機に拍車をかけています。エネルギー専門家にお話を伺いました。

オランダと英国の天然ガス価格は48時間の間に60%急騰し、1日の値上がり幅は40%に達しています。

欧州連合(EU)のエネルギー問題責任者であるカドリ・シムソン氏は、エネルギー価格の暴騰による経済の混乱を防ぐため、年末までにエネルギー規制改正が行われる可能性があると述べています。

しかし、米国に拠点を置くエネルギー専門家の一人は、欧州市場は規制が厳しすぎると述べています。

C3ソリューション社 公共政策担当副社長 ニック・ロリス氏
「欧州にエネルギーの選択肢をもっと与えれば、経済的にも環境的にも責任のある方法で、依存体質から脱却することができるでしょう」

ニック・ロリス氏は、ボトムアップで環境技術革新を育む必要があると言います。

C3ソリューション社 公共政策担当副社長 ニック・ロリス氏
「私は、経済的にも環境的にも進歩を遂げることが可能だと考えています。ただし、それは政府のこうした強制的政策によってもたらされるものではありません。そのためには、エネルギーの採算性と信頼性を優先しつつ、環境面でも進歩を続けられるような、スムーズなエネルギー転換を実現することが必要です」

ロリス氏は、他の国々の厳しいエネルギー政策のせいで企業が移転しているため、米国はその恩恵を受けているといいます。

C3ソリューション社 公共政策担当副社長 ニック・ロリス氏
「私たちが米国で学んだことの1つは、天然ガス資源を開発する上で私的所有権が決定的に重要だということです。米国ではシェールガス資源の大半が私有地の下にあり、私有地の所有者が鉱業権を所有している。だからそこに資源開発のインセンティブが成り立つのです」

ロリス氏は、企業が米国への移転を進めている理由として、シェールガス革命によるエネルギーコストの低さを挙げています。

現在、EUの天然ガス備蓄量は過去10年以上の間で最低レベルにあります。

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