石炭不足も限界か 内々に豪産石炭輸入許可=中国

電力供給不足は、中国におけるさまざまな状況を変えました。豪産石炭への輸入禁止措置についても同様です。アナリストによると、中共政府が1年前に非公式に輸入を禁止した豪産石炭が、中国に供給され始めているといいます。

船舶の売買やレンタルの仲介企業、ブレーマーACMシップブローキングで乾貨物 (ドライカーゴ) 担当の首席アナリストを務めるニック・リスティック氏は、フィナンシャル・タイムズ紙に対し、禁輸以降、港湾の外で待機していた豪州の貨物船が先月 入港し、約45万トンの石炭が積み降ろされたと語っています。

中国の電力供給不足は、国内需要の急増と石炭価格が過去最高になったことに起因しています。

エネルギーに関するコンサルティング企業「ウッドマッケンジー」社によると、豪州はかつて、毎月最大12メガトンの石炭を中国に輸出していました。しかし、昨年10月に中共政府が輸入を禁止した後、その数は「事実上ゼロ」になりました。

中国は通常、1日あたり約1メガトンの石炭を輸入していました。そのため、今回の陸揚げ許可による石炭約45万トンの輸入は中国における需要に大きな影響を与えることはないと推察されています。

北京のあるトレーダーは、ロイター通信に対し、電力供給不足は暖房シーズンの終わり頃の2月か3月まで続く可能性があると述べています。

石炭の禁輸前は、中国にとって豪州はインドネシアに次ぐ2番目の石炭供給国でした。輸入された豪州石炭の60%は発電やセメント製造などの産業用、40%は鉄鋼製造用として利用されていました。他の主要サプライヤーによる輸出は、輸送問題や天候の影響で制限されています。

ロイターの報道によると、中国の石炭輸入量は1月〜8月の間、前年同期比で10%減少しました。しかし、8月には国内の供給が逼迫したため、輸入量が急増しました。

これに伴い、複数のサプライヤーから石炭価格の引き上げが行われましたが、価格上昇は今後も続くものと思われます。

 
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