中共政権は、反米感情の炎をさらに煽っています。朝鮮戦争を舞台に、米軍と戦った中共兵士を美化した新作映画が世界的な興行収入の記録を更新しています。
エンタメニュースによると、中国映画「長津湖」は10月3日、世界最高の興行収入、2億300万ドル(約227億円)を記録しました。
この映画は、朝鮮戦争中の、1950年にあった長津湖の酷い戦いを描いています。中共は朝鮮戦争を「米国の侵略に抵抗し、朝鮮を支援するための戦争」(抗美援朝)と呼んでいます。
中共当局は、映画は「党、国、社会主義を愛する」ことをテーマの中心に置き、「中国共産党、祖国、人民、英雄への称賛」を謳うよう、指示を出しています。このお涙頂戴映画はそれを実現しようとしています。
中国のメディアによると、この映画は中国で最も高価な映画であり、2億ドル(約220億円)もの製作費をかけ、7000人の撮影スタッフと7万人のエキストラを使用しています。
この映画は、中国と香港の著名な映画監督が共同で監督を務め、中国の若者の間で絶大な影響力を持つスーパーアイドルを起用しました。
易烊千璽(ジャクソン・イー)がその一人です。今年20歳で、中国のソーシャルメディア微博で7千万人以上のフォロワーがあり、「フォーブス・チャイナ・セレブリティ100」で2年連続トップになりました。
もう一人の出演者は呉京(ウー・ジン)で、前作のナショナリズム映画「戦狼(ウルフ・オブ・ウォー)」は、中国で最高の興行収入を記録しました。
近年、中国では米国の陸軍や海兵隊および米国人が悪役として登場し、中国共産党の兵士がそれを倒すという映画が増えています。
中共政権は、中国の若者の反米感情を増強し、共産党への忠誠心を高めようとしているのかもしれません。
長津湖の戦いは、朝鮮戦争の中で最も血腥い戦いの一つです。中共軍の犠牲者は約2万人から6万人と推定されており、中共軍全体の半数近くにに達しています。
中共当局の発表では、4000人以上の兵士が、極度の寒さのために凍死したとしています。
一方、米国の報告では、死傷者は1万人以上だとしています。中には、3000人近くの韓国人兵士も含まれています。
米軍はまた、9万8千人の北朝鮮難民を韓国に避難させました。米国の歴史家はこれを「米軍史上最大の海上避難行動」と呼んでいます。