ドイツ警察は10月8日、ベルリンの米国大使館で「ハバナ症候群」とみられる症状を訴えるケースが多発した件について捜査中だと発表しました。謎の多いこのハバナ症候群は、世界各地の大使館に所属する米国人外交官とその家族約200人が発症しています。
ハバナ症候群が最初に注目されたのは2016年で、当時、在キューバ米国大使館の外交官数十人が頭痛や吐き気、記憶力の低下やめまいといった症状を訴えました。米国大使館がハバナにあったことから、音響攻撃を受けたときの症状がこの名称で呼ばれるようになりました。
ベルリン警察は8月から「米国大使館員に対する音響兵器攻撃」について捜査を進めていました。
5年前からキューバやロシア、中国などの米国人外交官の間で奇妙な症状がみられるようになりました。昨年末には、ホワイトハウス国家安全保障会議の関係者2人が同様の症状に見舞われ、そのうちの一人は、ホワイトハウスの芝生広場付近の無人の門を通過しただけで、症状を感じたといいます。
CIAのウィリアム・ジョセフ・バーンズ長官は7月、米国人外交官とその家族約200人がハバナ症候群を訴えており、そのうち約100人はCIAの職員とその家族だと明かしました。長官は、これらの症状は人為的に起こされたものである可能性が極めて高いと述べています。
全米科学アカデミーの研究チームは昨年12月、この症候群は「指向性のある」ビームが原因である可能性が高いことを突き止めました。この件には、中共やロシアが関与しているのではないかとの声もあります。