中国の工場では、生産コストの増加が顕著になっています。エネルギー不足が一因となっており、また世界への連鎖的なインフレリスクが懸念されています。
中国では需要低迷に伴い、消費者物価指数(CPI)も下降しています 。しかし、中国の工場から出荷される製品価格は、記録的なペースで上昇しています。この状況は、政策担当者にジレンマをもたらしています。
10月14日、中国国家統計局が発表した統計によると、9月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比で10.7%上昇しました。これは統計の公表が始まった1996年以降、過去最大の上昇幅です。
主な原因は、電力不足によるエネルギーコストの上昇により、原材料価格が高騰しているためだとされています。
また、数か月にわたる世界的な商品価格の高騰も、中国国内の価格上昇を刺激しています。しかし、需要低迷のため製造企業側にとって生産コスト上昇分の価格転嫁の足取りは重い状況です。
一方、先月の消費者物価指数は0.7%の上昇にとどまり、前年の同時期と比べ、低下しました。これは、衣料品や家電製品など全般的に需要が低迷していることが原因となっています。
また、食品価格が低下しました。
現在、エコノミストらは、中国人民銀行(中央銀行)が難局に立っていると指摘しています。
需要低迷のため、より強い景気下支えが必要とされる一方で、生産者物価が高騰していることにより、人々の行動範囲に影響を及ぼしています。その結果、金利および預金準備率の引き下げが行われる可能性は低いと推測されています。
また、消費者物価がインフレの影響を受けない状態が長く続かないことを示唆する意見もあります。
先日、中国最大の醤油メーカー「仏山市海天調味食品」は、小売価格を最大7%引き上げると発表しました。同社は、原材料、エネルギー、輸送コストの上昇により、値上げは避けられないと表明しています。