10月18日、吉林省の刑務所に収監されていた北朝鮮からの脱北者が脱走しました。脱獄の様子が刑務所の監視カメラに収められていました。
吉林省吉林市公安局が10月19日に発表した懸賞金についての通達によると、脱獄した受刑者は北朝鮮籍の重犯罪者朱賢健(じゅ・ひょんごん)で、18日午後6時ごろ、作業を終える際に、倉庫のパイプを攀じ登って脱走し、その後行方不明となっています。吉林刑務所は情報提供に15万元(約180万円)の懸賞金を支払うとしています。
ネット上には、刑務所の監視カメラに映っている脱走時の映像が公開され、話題となっています。
映像では、受刑者が素足で3階建ての高さのある倉庫のパイプをよじ登って屋上を走り抜け、刑務所の塀を囲む電気柵を破壊する姿が捉えられています。さらにその後、刑務所の高塀から飛び降り、しばらくの間うずくまった後、再び起き上がって走り出しました。
情報によると、朱賢健(じゅ・ひょんごん)はかつて北朝鮮の特殊部隊に所属していたといいます。中共の裁判所の判決文によると、朱賢健は2013年に中国に不法に入国し、2014年に不法入国罪、窃盗罪、強盗罪で懲役11年3か月の判決を言い渡され、その後は本国へ送還される予定でした。
報道によると、受刑者は2017年と2020年の2度の減刑によって、2023年8月に刑期満了を迎える予定だったといいます。しかし、脱北者の場合、本国に送還されると「処刑場送り」同然だと言われているため、中国の刑務所から脱獄したのではないかと考えられています。