最近、中国共産党の一連の軍事関連の動きが懸念を呼んでいます。これは中共が戦時体制に移行していることを示しているのかもしれません。
習近平総書記は、10月25日から26日までの日程で開催された軍の会議で、中共軍の軍備と兵器開発の両方において、新境地を開拓するよう指示しました。
また23日、全国人民代表大会の常務委員会はいくつかの国防法を一時的に停止する決定を出しました。この決定により、中共軍の行動は今後、中共からの指令に直接従うことになります。それらの国防法は後に調整されるとしています。
中国のネットユーザーの多くは、同法は、中共が台湾を侵略する準備をしていることを示唆していると考えています。ソーシャルメディアの微博(ウェイボー)には、「台湾を解放しなければならない」「何か大きな事が起こる」といったコメントが残されています。
また、中共は軍人の配偶者に無料の医療サービスを提供すると発表しました。それに加えて、その両親にも医療の割引サービスを提供するとしています。これらの特典は、来年から実施されます。これを受け、ネット上では「中国は台湾に対して行動を起こす準備をしているのではないか」という議論が起こりました。
また、常務委員会は23日、陸上の国境管理を強化するための「陸地国境法」を可決及び成立させました。同法の中では、「領土主権と領土保全を損なういかなる行為にも対処する」と宣言されています。これに対し、インド政府は猛反発しました。
インド外務省の報道官は、中国の新たな法律が国境対立に影響するおそれがあると述べました。
中印関係を巡っては、昨年6月、国境地帯で45年ぶりに死者が発生した両軍の衝突以降、両国間の緊張が高まっています。
中共がいつ戦争を仕掛けるのか、またインドと台湾どちらと先に戦争が始まるのかは、習近平本人以外誰にもわかりません。また、今の中共にとって、軍事衝突はコストがかかりすぎるのではないかとの見方も多くあります。
しかし、現在の習氏について、ひとつ注意すべきことについて、中国専門家で元北京大学副教授のクリストファー・バルディング博士が次のように語っています。
元北京大学副教授 クリストファー・バルディング博士
「彼がどのようにして党を率いて、政敵に対処しているかを見ると、彼はリーダーとしてリスクを回避するような人ではない。役に立たない、あるいは目的に適さないと判断した者は積極的に排除している。だから、コストがかかりすぎる、あるいはリスクが大きすぎるという考えは捨てなければならない」
バルディング博士によれば、これは遠い将来のことではないといいます。
元北京大学副教授 クリストファー・バルディング博士
「習近平、そして習近平政権下の中国が、そうしたリスクを取ることを嫌がっているという証拠はほとんどない。彼らはそのようなリスクを取ることを非常に望んでいると思う。初期費用を負担することも厭わないだろう。なので例えば、台湾への侵攻により、大量の死者を出すような場合には、いくつかの潜在的な注意点があるかもしれない」
バルディング博士は、その良い例として、南シナ海と香港を挙げました。