中国とミャンマーの国境付近にある雲南省瑞麗市では、度重なるロックダウンに民衆の怒りが限界に達しており、助けを求めるメッセージが後を絶たないほか、絶望してビルから飛び降り自殺をする人も続出しています。瑞麗市の元副市長も瑞麗に目を向けてほしいと人々に呼びかけましたが、現市長は瑞麗に支援は必要ないと反論し、瑞麗市民に対する世論の関心を引き起こしています。
「瑞麗の人民は生きてゆけない…瑞麗の人民はもう耐え切れない…」
雲南省瑞麗市は昨年9月からこれまでに、少なくとも中共ウイルスが第5波まで発生し、ロックダウンが4回行われました。現地では学校の授業や企業の操業、物資の輸送がストップして住民が隔離状態に置かれています。ロックダウンがいつ解除されるかわからず、住民たちは生きてゆくのも困難になり、助けを求めています。
生き続ける力を失った人も少なくありません。10月26日、ある男性が瑞麗東方温泉ホテルの6階から飛び降りて死亡したとネットユーザーが投稿しました。
瑞麗で理髪店を経営する程さんは新唐人テレビの取材に対し、長期にわたるロックダウンで瑞麗の人はみな精神的に参っており、自殺者が後を絶たないと答えています。
瑞麗理髪店の経営者、程さん
「瑞麗全体が監視下に置かれている。瑞麗市を離れたい場合の政策だが、以前はもっと厳しく、各居住区で定員は2人だ。しかし、希望が見えない。疫病がいつ収束するのか分からず、私たち瑞麗の庶民はみんな感じているが、まるで死ぬのを待っているようだ。飛び降り自殺も何度も起きているが、報道されない」
程さんは、現地政府は民衆を隔離するために巨額の資金を投じて1万室以上もの隔離施設を建設すると同時に、全市民のPCR検査を続けているが、政府と組んで事業をしている人は全員大儲けをしているのに、一般庶民は衣食にも事欠いていると述べています。
10月29日、瑞麗に住むブロガー「叫我大力好了」さんも、「今夜もまた人が飛び降りた。もう覚えていられない。今年になって瑞麗で人が飛び降り自殺した話を何度聞いただろうか。胸が締め付けられるようだ。そこまで追い詰められたのか。しかし、自分自身もまた、どれだけ持ちこたえられるだろうか」と投稿しています。
瑞麗に住むある若い女性も、この一年あまりで行われたロックダウンで、言葉では言い表せないほどの苦しみを味わったと訴える動画を投稿しています。
瑞麗市の女性
「今年、私たち瑞麗市民は全員が100回近くPCR検査を行った。それなのに疫病はまだ続いている。ここを離れることを考えたことがなかったわけではない。離れる代償が大きすぎるだけだ。私たち6人家族の場合を例に挙げると、ここを離れる場合、自費でホテルに一週間隔離されると、9000元(約16万円)の費用がかかる」
この女性は、自分たちは瑞麗を離れるための交通費を負担しきれないといいます。多くの人たちと同様に、費用を払わないでよくなるまで自宅を離れるのを延期しているが、現時点では希望は見えないと話しています。
瑞麗市の女性
「もう一つの政策は、瑞麗を離れたら48時間後に、強制的に健康コードが黄色に変更させられるというものだ。PCR検査を3回受けなければ緑コードには戻らない。厳格に管理されている一部の都市のように、黄色コードを提示すると、恐らくあなたは、地元で一定期間隔離されろと要求されるだろう。だから本当に大変なのだ。この一年は苦行と同じだった」
中国メディアもまた、ここ数か月の間に瑞麗の住民はPCR検査を100回近くも行っており、一歳すぎの幼児に対しても74回も行われたと認めています。
10月28日、瑞麗市の元副市長の戴栄里(たい・えいり)氏は、全国の人民に瑞麗の状況に関心を注ぐよう呼びかける文章を投稿しました。
しかし、瑞麗市の尚臘辺(しょう・ろうへん)市長は「瑞麗は短期的には外からの支援を必要としていない」と発表しました。
その日の夜、戴栄里氏は再度メディアに対し、自分は辞任していても、現地庶民の情報を常に入手しており、文章の内容に責任を負うとして、瑞麗は今、非常に困難な状況に置かれているため、全国の人たちに関心を持ってもらいたいと述べています。
戴栄里氏の呼びかけのあと、ある女性が、「公的立場にある人が瑞麗のために声をあげたことで、突然何が何だか分からなくなった。なぜなら、私の認識では、瑞麗は捨てられたと思っていたからだ」と述べました。
瑞麗の女性
「タイムラインの投稿を見る勇気がない。どこどこの人が食べるものもなくてゴミ箱を漁っているとか、どこどこの人がうつ病で飛び降り自殺したとか。政府に、なぜ疫病を隠蔽して報じないのかと聞く勇気がない。なぜ自腹で隔離されて毎日50元も支払っているのに、犬が吐き出したものよりもひどいものを食べないといけないのか。なぜロックダウンして1年にもなるのに、貧しい人は貧困で死に、食べ物がない人は餓死しているのか。1年も経つのに、なぜ瑞麗に関する情報が全て封鎖されているのか。なぜ発病したら瑞麗で死ななければならず、ここを出て医者にかかることができないのか」
この瑞麗の女性はさらに、彼らはロックダウンから1年間なんの収入もない時に、ミャンマーとの戦争を再開させたと明かしています。瑞麗市政府は国境付近に住むすべての住民に対し、二日以内に撤退して親しい人のところに身を寄せろと要求しました。彼女は、そうは言ってもここが自分の家だ、どこへ行くことができるというのかと悲嘆にくれています。