中国のソーシャルメディアで、食料不足の話題がトレンドになっています。これは中共商務部が11月1日、緊急時に備えて家庭で生活必需品を備蓄するよう呼びかける通知を出したことを受けてのことです。
中共商務部は11月1日、各地の共産党支部や家庭に対して、冬に備えて食料を備蓄するよう通知を出しました。これを受け、多くの市民が中国の食糧不足を心配しています。
通知では、緊急時に備えて、野菜、食用油、米、塩、鶏肉などの生活必需品の備蓄を促しています。
この通知は国中に衝撃を与え、ソーシャルメディアを賑わせました。中国のSNS「微博」では、「商務部が各家庭に必要な生活必需品の備蓄を奨励」というハッシュタグが5,400万回以上表示されました。
この通知が出されてすぐ、市民によるパニック買いが始まりました。
微博では、あるネットユーザーが「RTマート(大潤發)では、塩も缶詰もすべて先に買われてしまった」と投稿し、別のユーザーは、「今日、スーパーで米、小麦粉、油を買い、1,000元近く(約17,000円)使った。大型のショッピングカート2台でトランクがいっぱいになってしまった」と投稿しています。
また「油、紙、日用品を買った。1700元(約3万円)を軽く超えてしまった」との書き込みもありました。
商務部の通知には、備蓄を勧める具体的な理由が書かれていないため、多くの人の憶測を呼んでいます。
今年前半の自然災害や、10月初旬の異常気象により、国内最大の野菜生産地である山東省の農作物が壊滅状態となり、さらに北西部から北東部にかけてパンデミックが発生したため、食糧供給に混乱が生じる恐れがあります。
一方、官製メディア「経済日報」は、ネットユーザーに「過剰な想像をしないように」と呼びかけ、通知の目的は、自分の居住地域がロックダウンになっても、市民が慌てることがないようにするためのものだとしています。