中国テニス選手が元中共高官の性的暴力を告発

中共元副総理の張高麗氏と中国の有名テニス選手とのスキャンダルが、国際社会からも注目されています。海外メディアは中共外交部の記者会見でこの件を質問し、張高麗の娘婿をトップとする香港株「信義系」も暴落しました。これと同時に、張高麗氏が江沢民元国家主席の指示による強制臓器摘出を間接的に認めることを示す会話の録音データが改めて注目されています。

ブルームバーグによると、11月3日の中共外交部定例記者会見で、記者が張高麗氏と彭帥(ポン・シューアイ)さんの不倫疑惑について質問したところ、外交部の汪文斌報道官は、「聞いたことがない。そのうえこれは外交問題でもない」と答えました。

その後、中共外交部公式サイトの定例記者会見の記録からも、この質疑応答部分は削除されました。

現在、中国のインターネットでは党中央委員会第6回全体会議(6中全会)の数日前に発覚した、この中共高官のスキャンダルに関する情報が全面的に封鎖されています。とはいえ、中共当局がどのように手を回そうとも、このスキャンダルはすでに各国で報じられており、国際メディアも先を争って報じています。

張高麗氏の娘婿の李聖潑(り・せいはつ)氏をトップとする「信義系」香港株3銘柄も11月3日に5%から10%下落し、時価総額が200億香港ドル(約2920億円)値下がりしました。

今年35歳の彭帥さんは、女子ダブルス世界ランキング第一位の著名テニスプレイヤーです。2日にウェイボーに長文を投稿して、今年75歳の中共元副総理の張高麗にむりやり関係を結ばされたと明かしました。さらに驚くべきことに、張高麗の妻である康潔(こうけつ)が以前に見張り役をしたこともあるといいます。彼女は張高麗に対する感情が生まれたが、「遊ぶだけ遊んで要らなくなったらそれまで」という扱いを受け、「あまりにも多くの不公平と侮辱」が重ねられた結果、「身の程を知らずに自滅」したり、たとえ自ら身を亡ぼすことになったりしたとしても、「あなたとの間で起きた事実について話すことに決めた」と公言しています。

当事者としての、また自分自身も名声と栄誉を手にしたものとしての彭帥さんの投稿は信憑性が高く内容も詳細だとして、信頼できると多くの人が判断しました。しかし投稿から約20分後に削除され、「スーパートピック(超級話題)」というキーワードすら使用できなくなりました。

加害者である張高麗氏は、元中共政治局常務委員で、元国務院副総理であり、張徳江や劉雲山とともに「江沢民派」一派であることは周知の事実です。

2006年5月、表舞台から退いていた江沢民が山東省泰安市を訪れた際に、当時省書記を務めていた張高麗が泰山全体を二日間封鎖する通達を出し、すべての幹部を整列させて江沢民を歓迎し、さらには8人に輿で頂上まで担がせました。その間ぴったりと横についていた張高麗氏は、「太鼓持ち」に加えられました。

大紀元時報の評論家、李正寛氏は、江沢民に媚びたことのほかに、張高麗氏が江沢民に評価された最も大きな理由は、法輪功迫害問題で意見がかなり一致していたからだと指摘しています。張高麗氏が広東省、山東省、天津市などに赴任していた間、どの地域でも法輪功迫害が大々的に行われ、たくさんの法輪功学習者が不当な拘束や連行の対象となったほか、酷刑によって障がい者となったり殺されたりしたケースも相次ぎました。

張高麗氏は天津に赴任したあと、現地での法輪功迫害を強化するよう要求し、オリンピックまでに「法輪功を消滅させる」よう声高に求めていました。2010年に張高麗氏が、法輪功学習者からの強制臓器摘出を数多く行ってきた天津市第一中心医院を視察して、この病院を「臓器移植に関する優位性を継続的に発揮する」よう奨励すると、この病院のその年の肝臓移植件数が中国全体の1/3を占めました。2014年に法輪功迫害を追跡調査する国際組織(追査国際)が、張高麗氏に対し捜査追及通告を正式に送付しました。

2015年6月24日、張高麗氏はカザフスタンを訪問中に人権団体「追査国際」の調査員からの電話を受け、その際に生きている法輪功学習者からの強制臓器摘出を間接的に認めました。

調査員
「もしもし、李光連絡員ですか?私は劉秘書です」

李光連絡員
「こんにちは。少しお待ちください。今電話を代わります」

張高麗
「張高麗です」

調査員
「私は江沢民事務所の劉秘書です」

張高麗
「こんにちは、劉秘書!」

調査員
「こんにちは。江沢民同志からの伝言です。最近、膨大な数の法輪功学習者が、江沢民同志が数百万人もの法輪功学習者から臓器を収奪するよう命じた責任を追及するとして、最高検察院に江沢民同志を告訴しました。ですから江沢民同志はこの件を憂慮しており、あなたが政治局で話し合う際に、この事件の追及を必ず阻止してほしいとのことです。できますか?」

張高麗
「分かりました。江主席にご安心いただきたい」

このことは、彭帥さんが投稿した長文の最後で張高麗に対して投げかけた「あなたが今生で行ったすべてのことに対し何のやましさも感じずに、自分の母親の目の前に立つことができますか?」という疑問を思い出さずにはいられません。

 
関連記事