米当局は2016年の大統領候補ドナルド・トランプ氏についてFBIに嘘をついた疑いがあるとしてロシア人男性を逮捕・起訴しました。このロシア人は、FBIが当時トランプ氏を調査するために使用した悪名高きスティール文書の重要な情報源でした。
米大陪審は、ロシア人のイゴール・ダンシェンコ氏をFBIに対して行ったとされる5つの虚偽陳述の罪で起訴しました。
ダンシェンコ被告は、ジョン・ダーラム特別検察官によるFBIのトランプ氏に対する捜査において新たに起訴された人物です。
起訴状によると、ダンシェンコ被告は元英情報員クリストファー・スティール氏がまとめた「スティール文書」の主要な情報源だったとされています。
スティール文書は、FBIが当時の大統領候補トランプ氏とロシアの共謀容疑を調査するために使用したものです。
FBIはスティール文書に記載されたダンシェンコ氏の主張を確認するために、複数回ダンシェンコ氏に事情聴取を行いました。しかし、同氏は事情聴取で捜査官に嘘をついたとされています。
作家でジャーナリストのリー・スミス氏は、ダーラム特別検察官がダンシェンコ被告から答えを聞き出そうとするかも知れないとNTDに語っています。
作家 エポックタイムズのコラムニスト リー・スミス氏
「ダンシェンコ被告は25年の懲役を言い渡される可能性がある。ジョン・ダーラム特別検察官は、イゴール・ダンシェンコ被告を最高25年の懲役に処するより、むしろ捜査に協力させたい考えだと思う。他に誰が関わっていたのか、どのように行われたのか、誰が彼に何をするように命じたのか、彼の役割は何だったのか、クリストファー・スティール氏の役割は何だったのか、調査会社「フュージョンGPS」とその創業者グレン・シンプソン氏の役割は何だったのか、FBIの役割は何だったのか、その捜査コードネーム「クロスファイア・ハリケーン」のチームは何をしようとしていたのかなどを聞き出そうと考えている」
スミス氏は、これはロシア人よりむしろヒラリー・クリントン陣営に関係していると指摘しています。
作家 エポックタイムズのコラムニスト リー・スミス氏
「つまり、2017年10月にデビン・ヌネズ下院議員の調査で、クリントン陣営がスティール文書に金を払っていたという情報を弾き出したのだ。これは何年も前から分かっていた。だから、ダーラム特別検察官の捜査から得られる情報が増えれば増えるほど、クリントン夫妻の関与を示唆するのだ。マイケル・サスマン氏はクリントンの弁護士だ。イゴール・ダンシェンコ被告はクリントン陣営の契約社員だった。クリストファー・スティール氏がコンタクトを取って情報を得ていた相手は、ワシントンDCとバージニアを拠点とする広告会社に勤めるクリントン氏の盟友だった」
トランプ氏への捜査を指揮した元FBI防諜捜査官のピーター・ストロザック氏は、ダーラム特別検察官が起訴した人は全員、トランプ氏をめぐる捜査の「核心からは程遠い雑魚」にすぎないと述べています。