中国共産党政権は、電子商取引大手・アリババをはじめとする大手IT企業に対する規制を強化しています。現在ではその影響を日本の大手IT企業も受けています。
11月8日、ソフトバンクグループ(SBG)は、傘下のIT企業への投資会社ビジョン・ファンドが1兆1670億円の損失を受けたと発表しました。
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は、その理由を次のように述べています。
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長
「この3か月間はナブ(NAV)の占める一番大きな部分のアリババの大幅な下落と、ビジョンファンドの中国銘柄の下落と、この2つが我々のナブの価値、あるいは純利益を下げた一番の要因であったということである」
アリババの株価評価は、第2四半期に比べて約3分の1下落しました。
またソフトバンクによる、配車サービス大手・ディディチューシン(滴滴出行)への出資額は、120億ドルから75億ドルに減少しました。
これらは、中共当局がIT企業への締め付けに乗り出したことが背景にあります。
孫氏は、このことはソフトバンクに冬がやってきていることを意味すると表現しました。
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長
「ソフトバンクグループがどうなったというと、また嵐の中に突入ということでございます。大嵐でございます。冬の木枯らしでございます」
その結果、ソフトバンクは2021年第2四半期(7〜9月期)の業績が3979億円の純損失を計上しました。
孫氏はまた、最大1兆円の自社株買い戻しを行うと発表しました。
アナリストによると、ソフトバンクグループはインドの配車サービス大手「オラ(Ola)」など、他の投資先は充実しているといいます。