マーベル・スタジオ(Marvel Studios, LLC)による、製作費2億ドルの映画「エターナルズ」が、11月5日、世界46の地域で封切りされましたが、中国では公開されませんでした。監督の趙婷(クロエ・ジャオ)氏が過去に中国を批判するコメントをしていたことが取り沙汰されています。
「エターナルズ」(原題: Eternals)は、マーベル・スタジオの最新作ですが、中国ではすぐには見られそうにありません。その理由は予想通りで、監督である趙婷氏がかつてインタビューで「中国は嘘にまみれている」とコメントしたからです。
このディズニー映画は、11月5日に米国及び世界各地の劇場で公開されました。しかし、中国では公開されませんでしたが、これは想定内のことでした。中共の映画管理当局が、米アカデミー賞受賞監督趙婷氏の前作「ノマドランド」を検閲したときから、新作映画が公開されないのではないかという悲観的な憶測が広まっていたからです。
中共当局は国内のインターネット上で、趙婷氏が米アカデミー賞を受賞したニュースを封鎖しました。中国のネットユーザーが、趙婷氏の8年前の中国批判のコメントを見つけたからです。
ディズニーは、依然として中国で最も多額の投資を行っている製作社です。中国で映画が公開されない場合、興行収入として数億ドルを失う可能性があります。
「エターナルズ」の状況は、中共当局のお馴染みのパターンです。これは前作のマーベル映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」でも見られたことです。前作のこの映画は9月3日に世界で公開されましたが、中国ではいまだに公開されていません。中国のネットユーザーが、主演俳優劉思慕(シム・リウ)の「中国では人々が餓死している」という1年前のコメントを掘り起こしたのです。
マーベル・スタジオの「エターナルズ」は11月5日)に封切られ、米国で7千万ドル(約80億円)の興行収入をあげました。世界では9千万ドルを売上げています。映画製作にかけた費用は2億ドル(約228億円)でした。