国連気候変動枠組条約締約国会議(気候サミット)COP26が大詰めを迎え、11月10日、米中両国が気候変動対策の協力を強化し、排出量を削減することで合意しました。しかし中共が約束を守るかどうか、疑問が残ります。
第26回国連気候変動枠組条約締約国会議、通称COP26が終幕に近づいています。11月10日の会議で、米国の気候変動問題担当大統領特使であるジョン・ケリー氏は中国の気候変動問題担当特使である解振華氏と共同宣言を発表しました。
米国気候変動問題担当大統領特使 ジョン・ケリー氏
「今、世界の二大経済大国が、この決定的な10年間において、気候変動対策を強化するために協力することで合意した」
両国はメタン排出量の削減、森林保護、石炭消費量の段階的削減など、排出量のギャップを埋めるため協力可能な重要な分野で合意に達しました。
ケリー特使は、この合意を「現在及び将来に向けた協力のロードマップ」と呼んでいます。
米国気候変動問題担当大統領特使 ジョン・ケリー氏
「米中の間には多々相違点が存在するが、気候に関しては、協力こそがこの取り組みを達成する唯一の方法だ」
この楽観的な見方に対し、中国共産党が経済成長を犠牲にしてまで気候変動対策の約束を遂行するかどうか、多くの人が疑問を抱いています。
ニューヨーク・タイムズの報道によると、中国の新規石炭採掘量は、1年間で西欧全体の採掘能力を上回っており、気候変動との国際的取り組みにとって大きな負担となっています。
また、中国はメタン排出量の削減を約束しているものの、解特使は2030年までにメタン排出量を30%削減するという100か国以上が署名した「グローバル・メタン・プレッジ(the Global Methane Pledge)」に参加しませんでした。
更に、中国共産党の習近平総書記はこのサミットに出席しておらず、なんの誓約も追加していません。
米シンクタンク「ヘリテージ財団」のシニアアナリストは、中国が風力や太陽光などの再生可能エネルギーの導入を拡大しても、それは気候変動対策に誠実に取り組んでのことというより、国内のエネルギー不足に迫られてのことかもしれないと指摘しています。