中国では、各地でデルタ株による感染拡大が続いています。一部の都市では、昨年同様、当局が極端な対策を講じており、市民から不満の声が上がっています。
東北地方では、人口740万人の大連市で感染が拡大しており、200人以上の新規感染者が報告されています。
新規感染者のうち約3分の1は、荘河市の学園区で発生しているとされ、1万人以上の学生が寮に閉じこめられ、授業もオンラインで受講しています。
記者
「寮は封鎖されているのですか?」
大学関係者
「ええ、封鎖されています。学生とは会えないようになっています。
しかし、感染した学生の数が増え続け、数千人が濃密接触者としてリストアップされ、隔離と観視のために寮からホテルに移動させられました。
大学だけではありません。11月11日、当局は荘河市内の40万世帯、約80万人に対して、14日間の自宅隔離を命じ、アパートのドアを紙テープなどで封鎖しました。
しかし、一部の住民はもう我慢できないようです。中国のメディアが報じた映像には、地元の女性がマンションの2階から飛び降りようとしている様子が映されており、それに気づいた向かい側の建物の住民が声を上げています。しかし、映像を見る限り、彼女は結局思いとどまったようです。
脱出を試みた住民は他にもありました。13日、荘河市のある居住区で、住民の女性がシーツを使って4階の窓から脱出しようとしたものの、地面に転落しました。女性はのちに、防護服を来た職員によって救急車で運ばれました。
北京から南へ車で3時間の所にある河北省辛集市では、当局が鉄ワイヤーを使って住民の家のドアを封鎖している様子がネット上で公開されています。それに加えて、ドアに紙テープを貼り付けています。ドアを開けてテープが破れた場合、住民は集中隔離施設に連行されます。
首都・北京も、この新たな感染の流行を免れてはいません。来年2月に開催される冬季オリンピックに向けて準備が進められる中、新たな感染者が報告されています。
中共の衛生健康委員会は12日、11日24時の時点で、北京で7人の新規感染者が確認されたと発表しました。17日から、当局は他の地域から上京するすべての人に、陰性証明書の提示を義務付けています。
一方、北京に本社を置く中国最大の石油会社、中国石油天然気集団(CNPC)では、4人の従業員が陽性であることが判明し、非常事態に陥っています。同社は11日、従業員111人が吉林省の感染者と同じ会議に出席していたことを受け、直ちに北京の全従業員を対象とした核酸検査を開始したと報告しました。
CNPCが入居している複合ビルや、CNPCが管理する居住区でもその後、封鎖管理が行われています。
中国西部の寧夏回族自治区では、マンションが約1か月間にわたり封鎖されています。ネット上に投稿された動画では、住民が「外に出たい」と叫んでいる様子が映し出されています。
居住区には、住民が外へ出ないよう管理するために兵士が送り込まれています。