ユーザーの同意なしにデータを収集していたとして、動画投稿アプリTikTokを運営する中国の親会社ByteDance(バイトダンス)は、ユーザーに賠償金を支払うことで合意しました。
この和解はすでに始まり、11月15日、同社はユーザーへ賠償金請求に関する通知を送りました。
9月以前にアプリを使用した人は、TikTokに対する集団訴訟で賠償金を受け取れる可能性があります。発表では、TikTokを運営するバイトダンスが9200万ドル(約98億円)の和解案に同意したとのことです。
米国では、TikTokがアプリからユーザーの個人データを不正に収集し、使用したとして、TikTokユーザーがイリノイ州の地方裁判所に訴状を提出していました。連邦法およびイリノイ州の法律では、企業が同意なしに個人の生体情報にアクセスした場合、個人が企業を訴える権利が与えられています。
ユーザーはイリノイ州の住人でなくても賠償金を請求することができますが、イリノイ州の住民である場合、最大で6倍の金額を受け取ることができます。
しかし今回の件は、約9,000万人のTikTokユーザーが対象であるため、賠償金を得られたとしても、それほど大きな額になることはなさそうです。
和解案では、TikTokはユーザーの顔の特徴やその他の生体情報の記録をはじめ、GPSによるユーザーの位置情報の追跡、ユーザーのドラフトからの情報収集などを中止し、プライバシーポリシーで開示しない限り、米国のユーザーのデータを国外に保存または送信しないことに合意しました。
また、ユーザーの個人データをFacebookやGoogleなどの第三者に開示しないことや、未投稿で保存されていないユーザー生成ビデオを、サーバーから削除することにも合意しました。