中共の最新データによると、今年1月から10月までに全国の地方政府の「債券発行額」が過去最高となり、債務残高の総額が約532兆円であることが明らかになりました。経済専門家は、中国の地方債の増加速度は制御不能な傾向にあると考えています。
中共財政部が発表した最新の統計データによると、今年1月から10月までの間に全国の地方債発行総額が約116億4900万円に達し、前年同期比で6%増加して過去最高を更新しました。このうち約50億7700万円が借換債であり、債務の半分近くが古い債務の返済のために借り入れたことがわかります。
これにより、全国地方政府の債務残高は約532兆円に達しました。
米サウスカロライナ大学エイキン校の謝田教授は、「地方政府の赤字は現在、中央政府の手に負えなくなっているうえ、支援もできなくなっている。地方政府は以前にも増して好き放題に借金を重ねている」と指摘しています。
米サウスカロライナ大学エイキン校の謝田教授
「現在の状況は制御不能の傾向にあると私は考えている。現在、地方政府は狂ったように借金をするようになっている。2015年の新予算法の施行以降、省級地方政府が独自に地方債を発行するようになり、(債務が)すぐに飛躍的に増加して、2015年に3兆8000億元(約68兆1700億円)に達した。その後には4兆が6兆になり、今年は7兆だ。狂ったような地方債の発行とはこういうことだ」
ゴールドマン・サックスの報告書には、現在、地方政府の融資プラットフォームの債務総額は中国のGDPの半分を越えており、しかもこれらの隠れた債務は地方政府の貸借対照表には反映されないと記されています。
米国在住の経済専門家の李恆青氏は、中国の地方政府の債務が高止まりしているのは、中共体制に起因するものであり、借り入れ後の効果と返済計画は誰も管理していないと指摘してます。
米国在住の経済専門家 李恆青氏
「中国政府や地方政府の官僚は、借り入れしても返済することは考えない。なぜかというと、庶民を幸せにすることは彼らの目的でも使命でもないからだ。彼らに役職を与えた人のために彼らは忠誠を表し、親密に交際する。政府高官は借りた金を返すという考えはそもそも持っていない。多くの中国共産党高官自身がそのように話している」
これに加え、中共の中央政府は自分のことを構う余裕すらないため、中国の地方債は雪だるまのように、転がれば転がるほど大きくなっており、一触即発の状態にあると李恆青氏は考えています。