親中派首相の退陣要求 ソロモン諸島で反政府デモ

南太平洋のソロモン諸島の首都ホニアラでは、11月24日から26日にかけて、首相の退陣を求める大規模な反政府デモが発生しました。ソロモン諸島は2019年に台湾と断交し、新たに中国共産党と国交を結びました。このことで住民の不満が高まり、抗議デモへと発展し、一部が暴徒化しました。

現場の映像では、建物に火がつけられ、黒煙が立ち上っています。抗議者らはホニアラのチャイナタウンで店舗を襲撃し、略奪や破壊行為をしました。ソロモン諸島警察は、デモ参加者は約2〜3千人だと発表しています。政府は外出禁止令やロックダウンなどの措置を取りましたが、それでも住民の怒りを鎮めることは困難なようです。

人口約8万人のホニアラのチャイナタウンは、ほぼ全ての建物が焼き討ちや略奪に遭いました。さらに、地元警察は27日、チャイナタウンの焼失した建物の中から焼死体3体が見つかったと発表しました。

豪州はソロモン諸島の平和回復支援のために、約百人の軍隊を派遣しました。一方、台湾の中華民国外交部によると、ソロモン諸島には20人以上の華僑が滞在しており、無事だとのことです。

また、ネット上には「中華民国の国旗を掲げていた」ことで攻撃を免れた建物の写真が投稿され、議論を呼んでいます。

 
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