11月29日、中華民国国防部長はグアムに「駐米国軍事代表団」を設立する件が現在「進行中」だと明かしました。米国防総省が発表した最新の「国防戦略報告」の中でも、豪州とグアムの軍事施設強化について述べられています。また、習近平総書記はある講話の中で、中共軍の弱点を明かしています。本日の番組では、これらについて詳しくお伝えします。
グアムは米国にとって重要な軍事拠点ですが、昨年10月に台湾はグアムに事務局を復活させました。これについて、台湾と米国との軍事提携が強化されているからだとの見方もあります。
11月29日、中華民国の邱国正(きゅう・こくせい)国防部長は立法委員から質問を受けた際に、台湾がグアムに軍事代表団を設立する件が「現在進行中」だと明かしました。呉釗燮(ご・しょうしょう)外交部長は協議中の回答は控えるとして、結果が出るまで報告はしないと述べました。
米国防総省が29日に発表した「国防戦略報告」でも、グアムと豪州における米国の軍事インフラを強化すると強調されています。
米国防総省 カーリン副次官
「より広い範囲のインド太平洋地域において、(米軍の)各種インフラが改善されることがこれから分かるだろう。これにはグアム、北マリアナ諸島、豪州が含まれる」
米国の今回の報告書では、インド太平洋地域に焦点を当て、中共による軍事的侵略の脅威が潜在的に存在することを指摘しています。
米国防総省 カーリン副次官
「国防長官とも一致していることだが、中国(共)を少しずつ迫ってくる挑戦だとみなしている。世界情勢を評価する際の主なターゲットはインド太平洋(地域)だ」
これと同時に、ロイターは29日の報道の中で、米国、英国と豪州を含む7か国のメーカーと専門家が、台湾の潜水艦建造を密かにサポートしていると明かしました。
報道によると、ある関係者はこの計画を日本の昔話『桃太郎』にたとえています。勇敢な少年が一人で鬼が島に向かう道中でイヌ、サル、キジという仲間を得て、彼らのサポートを受けながら最終的には鬼を退治するというものです。
また、17日に米中経済・安全保障検討委員会(USCC)も議会に対し、2021年度報告(2021 REPORT TO CONGRESS of the U.S.-CHINA ECONOMIC AND SECURITY REVIEW COMMISSION)を提出しました。報告書には、中共軍は台湾進攻に必要な基礎的能力をすでに有している、あるいは間もなく手に入れるだろうとして、米軍に対する脅威が高まる一方だと記されています。
注目に値するのは、報告書では中共軍には未だに合同作戦と人員の素質に弱点があると指摘されています。このことは、習近平総書記が28日に、中共軍委の人材工作会議で強調したことと一致しています。
習近平総書記は講話の中で、「軍事における人的資源を正確かつ効率よく配置して最適な人材配置を行い、最大の効率を発揮」させて「軍人の能力と素質、構造レイアウト、開発管理の全面的な転換とアップグレードを促進する」よう求めています。
大紀元時報評論家の沈舟氏は、習近平の話は、米国が中共軍事力の弱点に下した評価を裏付けるものだと分析しています。今回の講話は、中共軍が各種人材に乏しいだけでなく、限りある人材の「正確で効率のよい配置」も、彼らに「最大の効率を発揮させる」こともできていないことを表しています。
米国の報告書には、中共指導者は十年以上前から一部中共軍人は能力が低く、新たな作戦理念に抵抗していると繰り返し指摘しており、中共軍は訓練の面で常に課題に直面していると記されています。
沈舟氏は、中共軍はいわゆる「強い軍隊」からはほど遠く、装備で劣るだけでなく上官から一兵卒までの人員の素質の差が大きいのだと指摘しています。