EU グローバル・インフラ支援に38兆円 一帯一路に対抗

欧州連合(EU)欧州委員会は12月1日、2500億ポンド(約38兆円)のグローバルインフラ計画を発表しました。「グローバル・ゲートウェイ」と名付けられたこの計画は、EUと世界のパートナー国との間の貿易や友好関係を促進するプロジェクトを支援することを目的としています。この計画は、不透明な取引で債務の罠に陥れ、汚職を助長すると批判されている中共の「一帯一路」構想に対抗しようとするものです。

EUは1日、グローバルな影響力の強化を目指す数十億ユーロ(数十兆円)規模のインフラ整備計画を発表しました。

EUは2027年までに官民合わせて最大2,500億ポンド(約38兆円)の資金を投入する計画です。

欧州委員会 ウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長
「グローバル・ゲートウェイ」とは、世界中のインフラ整備に大規模な投資を行うEUの計画であり、ロードマップと言ってもよいだろう。

この計画は、中共の広域経済圏構想「一帯一路」に対抗する試みであると言われています。

中共は2013年以来、港湾、橋、発電所を開発し、主に発展途上国をグローバルな貿易ネットワークに組み入れ、世界に影響力を与えようとしています。

しかし、一部の被援助国からは、中共のプロジェクトは不透明な取引で負債の罠に陥れ、汚職を助長していると批判されています。

欧州委員会 ウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長
「私たちは、これまでとは異なるアプローチを取りたいと考えている。民主的価値観を重視したアプローチが喫緊の課題に対応できることを示したい。地域のニーズを満たすとともに、グローバルな課題にも取り組むことができることを示したいと思う」

フォン・デア・ライエン委員長は、EUの計画は医療、教育、デジタル化、グリーンエネルギーの分野で質の高いインフラを提供することだと述べています。

欧州委員会 ウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長
「私たちの優先課題であるグリーン化とデジタル化への移行を支援するために、世界中で投資を行う計画だ。例えば、クリーンな水素エネルギーへの投資だ。パートナー国には再生可能エネルギーが豊富にある。風力や太陽光を利用して水素を製造することは、私たちだけでなく彼らにとっても利益になるのだ」

フォン・デア・ライエン委員長は、「グローバル・ゲートウェイ」は高い労働基準と環境基準に沿ったものになるだろうと付け加えています。

〈字幕版〉

 
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