「燃料棒の実際の破損本数は70本超」台山原発巡り内部告発

中国の原子力発電所に関して、ある内部告発者が注目を集めています。

仏国営ラジオ放送局「ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)」の報道によると、内部告発者の話として、中国の台山原子力発電所で破損した燃料棒の本数について、公式発表では推計5本前後とされていたものの、実際には70本以上に上るといいます。

今年7月、台山原発はウラン燃料棒の破損により原子炉1基の稼働を停止しました。

燃料棒とは、原子炉用の核燃料となる核物質を封入した被覆管を指します。

台山原発は、中国南部の広東省に位置しており、中国最大手の国有原子力企業・中国広核集団(CGN)と仏電力公社(EDF)が共同出資する合弁会社によって運営されています。

当時、CGNとEDFは、燃料棒の破損は製造及び運送過程に起因する可能性があり、破損本数は設計上の許容範囲内にとどまっているとのプレスリリースを発出していました。

しかし内部告発者によれば、燃料棒の破損はボイラーの設計上のミスと大きな関連がある可能性があるといいます。

内部告発者は、原子炉圧力容器の設計上の欠陥が原因ではないかと指摘しています。

内部告発者は、自身の見解について仏民間放射能調査団体「放射能に関する調査および情報提供の独立委員会(クリラッド、CRIIRAD)」に報告したと述べています。

クリラッドの代表、ブルーノ・シャレイロン氏へのRFIによる独占インタビューで、内部告発者は原子力業界のフランス人エンジニアであり、台山原発の原子炉に関する技術データにアクセスできると述べました。

シャレイロン氏は、「内部告発者によると、ボイラーに関する問題は原子炉の運転が開始した2018年にすでに発見されていた」と述べています。

仏原子力安全局(ASN)は、コメントの要請に応じませんでした。仏電力公社は、事故の原因についてまだ調査中であるとしています。

 
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