米国に逃げた中国人医師が語る中国医療業界の闇【禁聞】

中共が統治する中国の医療業界では、不可思議なことがしばしば発生しています。高級幹部の医療上の特権、増え続ける医師と患者の間の衝突、医学論文の捏造、国産ワクチンの安全性の問題、非人道的な防疫対策など、枚挙にいとまがありません。米国に逃れた中国人医師の駱成さん(仮名)がその実情を語りました。

中国出身の外科医である駱成さんは、11月下旬に大紀元と新唐人テレビの合同取材を受けた際、共産党はあらゆる業界において、以前から人と人とが争う状況を意図的に作り出していると語っています。

例えば、中共はヘルスケア分野に大きな予算を割り当てないうえ、そのほとんどは中共高官の医療保険に費やされています。過去20年間に、各地では特権階級専門の施設が次々と建設され、政府高官らは無償の医療サービスを享受している一方で、一般庶民はこうしたサービスを受けることはできません。

元外科医の中国人医師 駱成さん
「外国から輸入した非常に高額な抗がん剤であっても、彼らは無料だ。医療予算の額は世界でワースト何位だが、その金額で世界の約5分の1の人口の医療費をまかなっている」

医療保険費の不足を補うため、中共は公立病院に自助努力を促すだけでなく、法律で定められた医療従事者の給与から厳しく搾取しています。駱成氏は、中国の医療従事者の平均給与は、海外の6分の1から8分の1しかないと指摘しています。このため、経済的に苦しくなると、医師は謝礼やリベートを受け取るようになるといいます。

元外科医の中国人医師 駱成さん
「庶民は『こんなに金をつぎ込んでも治せないうえ、死ぬかもしれない。こうした苦痛の出所は、医者が賄賂やリベートを受け取ることにある』と考えている。彼らは、政府が彼らをこうした行動に駆り立てたことに気づいていない。だから中共はこの点を巧みに利用して、患者と医師との対立を煽って、争うように仕向けている」

2006年から2016年の10年間で、中国各地の裁判所が受理した医療裁判の数が2倍になりました。

当局が統計した医療裁判の数は、2019年には18,112件に上っています。

駱成氏は、「業界の一部の堕落した人間が、リベートを受け取るために高額の薬を患者に処方したり、過剰な医療を施したりしているのは確かだ。こうした行為は罰せられるどころか、むしろひどくなる一方だ。これが中国の医療業界の逆淘汰現象だ」と話しています。

さらに、医療関係者の年末評価や昇進などを判断する際の基準は、専門技術ではなく、どの医学雑誌にどれだけの研究論文を発表したかによるのだと指摘しています。試験や論文を他人に依頼したり、研究資金をだまし取ったりしながら、病院と政府は共謀して私欲に走っています。これは中国医療業界の公然の秘密であるだけでなく、度重なる論文ねつ造を招いています。

元外科医の中国人医師 駱成さん
「医師は論文の第一執筆者だが、その試験を行ってはいない。一部の医療企業が医師の代わりにやっているのだ。論文一本の価格は医師が発表するSCIの影響要素によって決まる。例えば5点。5点から10点は高い点数だ。彼らの懐にはそれで5万から10万元(約90万円~180万円)が入るかもしれない」

駱成氏は、「科学研究を骨子」として医療体制を統制しても、「大躍進」の時代に鉄鋼生産をしたときのような浪費しか生まれないと指摘します。中国の研究論文データのほとんどが信頼性に欠けるためです。国際社会でねつ造論文の発見に多大な力を注いでいるとしても、そのことはねつ造者の中国での地位に何の影響も与えません。これは政府機関が論文のねつ造に暗黙の了解を与えていることと関係しているといいます。

また、駱成氏は世界中で猛威を振るった中共ウイルスについて、中国のすべての問題は、関連情報を公開しないことにあると指摘しています。

元外科医の中国人医師 駱成さん
「例えば、『最初の感染者』は結局のところ誰だったのか。具体的な情報は?何も分かっていない。そして様々なうわさが飛び交うようになる。例えば、実験室から漏れたのだろうとか、軍関係者がばらまいたのだろうとか。二つ目は、感染が拡大していた時期に行われていた防疫措置や管理体制が人間性のかけらもないものだった点だ。彼らは庶民の生活ニーズをまったく考慮せずに強制的に隔離させた。しかも隔離費用は自腹でまかなえと言う」

駱成氏は、中国のインターネットを検索するとワクチン接種後に白血病を発症したという例が数多く見つかるが、当局はそれを隠匿しようと躍起になっていると指摘しています。

元外科医の中国人医師 駱成さん
「まず、中国のワクチンの品質には問題がある。中国で国産ワクチンの生産が始まってから、類似の問題が山のように出ている。このことについてはインターネットを見ればわかる。しかし、こんなに短期間で開発されたワクチンをこれほどたくさんの人に強制的に接種させるのはなぜだ。接種後に現れる合併症や副反応についても、はっきりと発表されたことは一度もない」

駱成氏は、中国の医療業界で起きているこうした問題は、本質的には体制と政治環境が引き起こしたものだと考えています。まともな人間であっても、ひとたび中共が作り出した社会の濁流に飲み込まれたら、そこから脱出することは想像を絶するほど難しいのです。

 
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