欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は12月8日、EU加盟国に経済的圧力をかけて政策を変更させようとする域外国に対して、より効果的に報復を行うための対抗措置の導入案を発表しました。中共は現在、リトアニアの製品の輸入を制限していますが、この導入案が承認されれば、中共の行為は対抗措置の対象になる可能性があります。
欧州委員会は12月8日、EU加盟国に圧力をかけようとする域外国に対して、貿易制裁を課すシステムの確立へ向けて動き出しました。
欧州委員会は、加盟国に代わってEU域外との貿易を管理します。
現在、欧州委員会は全ての加盟国の承認を得なくとも経済的圧力に対抗できるようにするため、加盟国の許可を求めています。
欧州委員会上級副委員長兼貿易担当欧州委員 バルディス・ドンブロウスキス氏
「この強力な新しいツールは、われわれの強力で野心的なEU貿易アジェンダにとって重要なステップとなるだろう。これは、EUが自衛するために毅然とした態度で臨むという明確なシグナルをパートナー国に送ることになる」
欧州委員会は、現在中共とEU加盟国リトアニアとの諍いに、このようなシステムを使用する可能性があると述べています。
リトアニアが先月、台湾に事実上の大使館の設置を認めた後、中共はバルト海沿岸のこの小国との外交関係を格下げしました。
リトアニア政府関係者によると、中共はリトアニアの輸出を制限し、多国籍企業に対してリトアニアとの関係を断ち切らければ中国市場から締め出すと告げているとのことです。
欧州委員会上級副委員長兼貿易担当欧州委員 バルディス・ドンブロウスキス氏
「第三国との関係でわれわれの利益と価値を守るためには、EU内の結束と連帯が引き続き重要な鍵となる。EUは、加盟国に対するあらゆる種類の政治的圧力や威圧的な措置に対抗する用意がある」
新しいシステムが成立すると、懲罰的な関税や割り当てを課したり、EU市場へのアクセスを制限したりする権限が欧州委員会に与えられます。
欧州委員会の主張では、このような権限がないと、EUは通常の外交的圧力に頼らざるを得ませんが、それでは対応が遅過ぎるということです。
この提案は、欧州議会や加盟国の承認を得る必要があります。
欧州議会国際貿易委員会(INTA)のベルント・ラゲン委員長は、この計画を歓迎しています。
しかし、ハンガリーやポーランドなど一部の加盟国は、欧州委員会に過大な権限を与えることに不満を表明しています。