ある台湾系米国人が中国のインターネットショッピングサイト淘宝(タオバオ)でモデルガンを購入したところ、中共当局に3年間収監されたと明かしました。この人物は、刑期を終えて米国に帰国すると、顧客の個人データを販売して中共の人権弾圧に加担したとして、アリババに対し裁判を起こすと発表しました。
ゲーム開発業者で台湾系米国人の鄭森(San Cheng)さんは2016年に中国に出張した際、アリババ傘下の通販サイト「淘宝」で、シューティングゲーム開発の参考にするためにモデルガン60挺を購入したところ、中共当局から銃の違法所持に問われて3年の実刑判決を下されました。
昨年ようやく釈放された鄭さんは米国に帰国後、アリババを訴えることにしました。大量の顧客の個人データを人権弾圧に使用する相手に売り渡したからです。
台湾系米国人の鄭森さん
「(ネットショッピングは)実名購入だ。なぜ彼らが大量のビッグデータを第三者に提供したり、犯罪集団に提供したりするのか。ネットショッピングではパスポートやキャッシュカードをアップロードしなければならないため、あらゆる情報がそこに入ってしまう」
鄭さんは、当時137人が鄭さんと同じ罪状で逮捕されたと明かしています。また鄭さんは、中共の警察から、通報者には報奨金が支払われると聞いたとも話しています。
台湾系米国人の鄭森さん
「報奨金の最高額は上海地区が60万元(約1000万円)で、北京だと50万元(約800万円)だ。10人見つけて銃が100挺になれば、報奨金が手に入る」
鄭さんは取材に対し、アリババ子会社の複数のショッピングサイトは、国内サイトからでも海外サイトからでも各国の偽札や偽コインを購入できるほか、偽造パスポートや偽造身分証、ワクチン接種カードなども手に入ると話しています。
台湾系米国人の鄭森さん
「収監中に出会った、詐欺集団の一員だったという人物から、アリババのサイトではあらゆる人の個人データを購入できると聞いた。またアリババのために動いていた人にも出会った。淘宝とアリエクスプレスとアリババという三つの場所から偽札を国外に転送しているそうで、その人は私に驚くべき話をした。毎年米国に送られる偽札の総額は約100億ドル(約1兆1346億ドル)に上ると言うのだ」
鄭さんはすでに、アリババに宛てて弁護士書簡を送付しています。
台湾系米国人の鄭森さん
「もちろん私は、この犯罪集団(アリババ)が消えてくれればいい、もしくは主な人物が制裁を受けるといいと思っている」