中国から逃れたある医師が取材に対し、病院での勤務の傍ら、臓器移植に関する調査を行ったこと、それにより中国から逃れざるを得なくなった過程を語りました。
中国で勤務医として働いていた駱成さん(仮名)は、2017年にネット封鎖を突破して海外のサイトにアクセスした際に、ドキュメンタリ映画「臓器狩り10年の調査」を見て、中国の臓器狩りについて知るようになりました。そして臓器移植の事実に驚愕し、自分で調査を進めることにしました。
駱成さんは取材を受けた際に、臓器移植チームに配属されそうになった経験を語りました。
中国で勤務医として働いていた駱成氏
「私が病院で勉強していたころ、人手不足だったため臓器移植(チーム)へ配置換えされる話が出た。その後、いろいろあってその話は流れた。もし私が臓器移植を行う患者の臓器が非合法的に摘出されたものだったとしたら、私は違法に人を殺したことにならないだろうか。ですが結局私はそれには関わらなかった。だからこの件を非常に恐ろしいことだと感じている」
駱成さんは自分自身の体験談として、医師である新疆ウイグル族の友人の話を聞いてから中国の臓器移植の実情を調査しようと決心したと率直に明かしています。
中国で勤務医として働いていた駱成氏
「以前にネット封鎖を突破したときに、ある写真を見たことがある。それは新疆のウルムチ空港の『臓器移植クイックルート』の写真だった。私はその写真についてウイグル人の友人に『これは実在するのか?』と尋ねた。友人は『確かに実在する』と言った。私は次に『新疆に収容施設はあるのか?』と尋ねた。答えは『ある』だった。彼の友人数人も言論が問題となってそこに収容されていると言った」
ウイグル人医師を通じて駱成さんはまた、ウイグル人も含め、刑務所に収監されている一部の囚人は言論を罪に問われており、死刑にはならないが強制臓器摘出という迫害に遭っていることを知ることができたとも話しています。
しかし、この調査活動がのちに中共当局に見つかってしまいました。
中国で勤務医として働いていた駱成氏
「彼らは私に二つのうちどちらか一つを選べと言った。一つは臓器移植手術に参加して自分の潔白を自分で証明するというものだった。『お前が自分はこの件に関係ないと言うのなら、お前は手術に参加して臓器を摘出するのだ』と。もう一つは病院を解雇し、私を中国医療業界のブラックリストに載せるというものだった。それで私は二つ目を選んだ」
駱成さんは、臓器移植に関する調査を自分の責務だと考えて証拠を集めました。今後中共が解体されたら、これらは悪人の裁きに役立つうえ、歴史の記録にもなると考えています。
駱成さんは圧力にも屈せず、のちに危険を冒して中共から逃れ、自由な米国に渡りました。