最近、英ロンドンにある独立民衆法廷は、中国共産党による人権弾圧に関する報告書を発表しました。中共当局による新疆ウイグル自治区でのウイグル人やその他の少数民族に対する人権侵害を「ジェノサイド」と認定しました。
英国の法廷弁護士であり、国際人権弁護士でもあるジェフリー・ナイス氏が法廷の議長を務めました。
ナイス氏は、亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」の要請を受けて、昨年第三者により調査・裁断を行う「ウイグル民衆法廷」を設置しました。
同法廷の報告書は、今月9日に発表されました。報告書では、中共の習近平総書記をはじめとする中国共産党の高官は、「新疆での行為に対して主要な責任を負っている 」と強調されています。
また、新疆における人権侵害は習近平氏らが推進した政策、命令、演説による結果であるとし、このような政策は厳格に序列化されている体制において、最高指導機関の命令がなければ起こり得ないと指摘されています。
報告書は、今年ロンドンで開催された2回の公聴会で、陪審員により検証された証拠や証言を踏まえ、作成されたものです。
中共は、同法廷を「中国の信用を落とすことを目的とした政治的操作」、「反中分裂組織」だと主張し、強い非難を表明しています。
報告書が発表された翌日、国連の人権部門は新疆ウイグル自治区の人権状況について、包括的な分析を開始しました。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のルパート・コルビル報道官は、「法廷での深く憂慮すべき結果」については、現在まだ分析中であると表明しました。
国連人権高等弁務官 ルパート・コルビル報道官
「我々の捜査官が、恣意的な拘禁、施設での虐待、強制的労働、社会的・文化的権利への侵害などについて(同法廷と)同様に特定した」
また、米下院では12月8日、新疆からの輸入を全面的に禁止するウイグル強制労働防止法案が圧倒的多数で可決されました。
同法では、繊維製品からソーラーパネル材料に至るまで、新疆ウイグル自治区の輸出品は全て強制労働により生産されていると前提し、強制労働による生産ではないことを証明できる場合を除いて、米国内への輸入を禁止しています。