中共メディア 五輪ボイコットを歪曲報道

北京五輪をめぐり、人権弾圧を理由に各国の外交的ボイコットの表明が続く中、国連のトップであるアントニオ・グテーレス事務総長は北京五輪への出席を表明しました。

米国と一部の同盟国が外交的ボイコットしているにもかかわらず、グテーレス事務総長は国際オリンピック委員会(IOC)からの招待を受諾しました。

招待について明確にしておかなければならないことがあります。オリンピック憲章では、世界の指導者や政治家は開催国ではなく、各国のIOC支部から五輪に招待されることになっています。

中共政権も12月9日の記者会見で、このことを認めました。

約2週間前、中共官製メディアは、誰を招待するかを決めるのはIOCではなく、中国(共)であると示唆しているようでした。

中共機関紙「人民日報」傘下の英語版「環球時報(The Global Times)」によると、中国(共)は米国の政治家を五輪に招待していないし、多数の外国人ゲストを招待する予定はないとしています。これは、米国と英国が外交的ボイコットを検討していると表明したことを受けてのことです。

これは、「そもそも招待していないのだから、ボイコットは意味がない」というメッセージのようです。

中共官製メディアはまた、フランスのボイコットに関する態度を報道する際にも、不都合な点を省略したようです。

中国メディア「観察者(Guancha.cn)」は12月10日の記事で、フランスのマクロン大統領は「ボイコットに追随する予定はなく、外交的ボイコットは意味のないものでショーにすぎないと述べた」と報じています。

記事はまた、フランスのブランケール教育兼スポーツ相がボイコットを否定したことにも触れています。

エマニュエル・マクロン仏大統領
「この点は明確にしておく。ボイコットして選手を派遣しないか、参加して有益な行動を起こす道を選ぶか、そのいずれかだ。国際的な舞台での全ての事と同様に、私は有益な効果をもたらすことをしたい」

一方、フランスのル・ドリアン外相は、フランスはこの問題について他のEU諸国と協調するべきだと述べました。

EUはまだ態度を表明していません。現在のところ、ファイブ・アイズ加盟国が北京五輪に政府関係者を派遣しないことを発表しています。米国、カナダ、英国、豪州、ニュージーランドの他にも、欧州ではリトアニアとコソボが外交的ボイコットを宣言しています。

しかし、これら国は、選手団は予定通り派遣するとしています。

〈字幕版〉

 
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