米国のバイデン大統領が今月23日に署名し成立した法律について、ある議員より「ジェノサイドに対する中国の責任を追及する上で、これまでで最も重要な動き」と評されました。
バイデン大統領は23日、中国・新疆ウイグル自治区からの輸入を全面的に禁止する「ウイグル強制労働防止法案」に署名し、同法が成立しました。これは、深刻な人権弾圧が行われている同自治区での強制労働に対する、米政府による最新の動きです。
同法は、今月中旬に上下両院で超党派の賛成により通過していました。
同法では、米国土安全保障省に対し、中共当局による少数民族を含む、中国国民への弾圧に関与している海外の個人や団体の制裁リストの作成を求めています。また、新疆ウイグル自治区で生産されたすべての製品が強制労働によるものだと見なしています。
現在、国際社会では100万人以上のウイグル人が再教育キャンプに強制収容され、強制労働が行われていると指摘されています。同自治区は、衣料用の綿花やソーラーパネルの原材料となるポリシリコンの世界的な主要供給地となっています。
ジェン・サキ報道官
「驚くようなことではありません」
サキ報道官のこの発言は、バイデン大統領が法案に署名することで、中共側の機嫌を損ねることを懸念しているかについてのホワイトハウスの回答です。中共当局は21日、新疆での人権問題を巡る報復措置として米国際宗教自由委員会(USCIRF)のメンバー4人に対し、追加制裁を科したばかりでした。
ジェン・サキ報道官
「私たちはこれまでも懸念を表明してきました。大統領は中国側と話もしました。また、G7の首脳と共に、中国共産党による強制労働に対する共同声明に署名しました。なので、今回の件は驚くようなことではありません」
民主党のジェニファー・ウェクストン下院議員は、今回成立した「ウイグル強制労働防止法案」について、ジェノサイドに対する中国側の責任を追及する上で「これまでで最も重要な動き」と評しています。中共側は人権侵害を否定し、新疆産の製品の輸入を停止した外国ブランドへのボイコットを呼びかけています。