北京政権が軍事力誇示の姿勢を強める中、豪州は自国の防衛力増強の道を見出しています。豪州は来年、防衛装備調達プロセスを見直して、より簡単かつ迅速に新しい兵器を購入できるようにする予定です。
通常、豪州が防衛関連の契約を取り付けるのに4年かかります。
しかし、新しい措置の導入により、その時間が1年ほど短縮される可能性があります。豪州の防衛産業大臣は、このことは数百万ドルの経費削減になると述べています。
この動きは豪州のピーター・ダットン国防相の警告を受けてのものです。ダットン国防相は先月の講演で、中共は核弾頭の保有数を3倍以上に増やす勢いであり、「ホバートを含む豪州の全ての主要都市が中共のミサイルの射程圏内にある」と述べました。
ダットン国防相は、産業界はもはや「通常営業(平時のビジネス)」という考えで安穏としているわけにはいかず、むしろ「国家的に最高度の重要性と緊急性を帯びた使命感で動かなければならない」とも付け加えました。
豪州は、中国との関係が悪化して以来、警戒を強めています。
11月、豪州は米国及び英国と安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」に基づく情報交換協定に調印しました。これによって、豪州は機密性の高い米国の原子力潜水艦技術にアクセスできる2番目の国になりました。
スコット・モリソン豪首相
「米国と英国がこの情報を第三国と共有するのは初めてのことだ。これは確保する価値のあるものだった。豪州が長い間求めてきたものであり、我が政府が確保したのだ。この重要な防衛技術や情報へのアクセスを確保する価値はあった」
このパートナーシップにより、豪州は原子力潜水艦を入手することができます。原子力潜水艦は静粛性と速度に優れ、より長く潜航することができます。
スコット・モリソン豪首相
「これは豪州の将来の安全保障にとって、重要な、非常に重要な協定だ。この協定の進展を望まない者たちがたくさんいるということが、この協定の重要性を物語っていると思う」
つい2週間前、豪州は韓国と7億ドル(約800億円)を超える防衛協定に調印しました。これは、豪州がこれまでにアジアの国と結んだ防衛協定として最大規模です。これにより、豪州にレーダー、補給用車両、砲兵武器を提供することになります。