文革式感染対策 広西チワン族自治区の街頭で見せしめ

西側諸国がウイルスとの共存を模索し始めたのと反対に、中共は今も「清零(感染ゼロ)政策」を推進して非人道的な防疫対策を次々と打ち出しています。先日、広西チワン族自治区で文革中さながらの騒ぎが起こり、「文革の再来だ」との声が上がっています。

インターネットに投稿されたある動画の中で、公安が防護服を着て前と後ろに写真をぶら下げた複数の人を連行し、街を引き回してみせしめにしています。当局はこのときにブタの輸送用トラックで彼らを運んでいました。

広西チワン族自治区の陳さん
「まさに脅しだ。大衆に警告するために彼らは見せしめにされているのだ。彼らは中国人の密入国をほう助していたのだと聞いている。ベトナムでは感染が拡大しているので、一部の中国人は帰ってきたいと思っている。彼らのような現地の人は山道を熟知しているので、検査ステーションやパトロールを避けて、中国人が逃げてくるのを助けることができる」

中国メディアは、これは広西チワン族自治区の靖西市(せいせい-し)で行われたもので、「十個一律」と呼ばれる懲戒現場の様子だと報じています。彼らは希望者の国境越えや密輸などの行為をほう助した疑いがもたれており、罰として自宅に「懲戒通告」が貼られたり、銀行口座が凍結されたりしています。

広西チワン族自治区の陳さん
「(文革中に批判対象に被せられた)高帽子がないだけで、ほかは同じだ。文革では、つるし上げに遭った人たちが、高帽子を被せられて街を歩かされていた。これには反対だ。なぜならこれは自分やその家族に大きな影響を及ぼすからだ。これが政府のやり方で、一族が連座させられる」

中共は以前、見せしめのための引き回しを禁止したことがあります。1988年に最高裁判所と最高人民検察院と公安部は、死刑囚であっても見せしめのための引き回しを禁止すると通達しました。しかし近年、現代版文化大革命式市中引き回しと言える「テレビ自白」が中国で多数発生しています。

中国の元人権派弁護士 呉紹平氏
「これは典型的な組織的行為だ。地方政府が主導し、公安が主役を務める。なぜ彼らはこんなことをするのか。彼らはこのような辱めを利用し、罪を犯した人に恥辱を与えて、いわゆる『法治教育』を実施し、他の民衆の戒めとしたいのだ。これは法治の趣旨に反する行為であり、このような辱めは人の尊厳を侵害するものだ」

インターネットではこの件に関し罵声が飛び交っています。あるネットユーザーは「文革はまだ終わっていない。続いているのだ!」と投稿し、別のユーザーは「中共が存在する限り、文革は消えない!」と投稿しています。

 
関連記事