中共が食糧の大量輸入 目的は?【禁聞】

中共は昨年末に中央農村工作会議を開催した際、食糧安全問題について再び強調し、大豆と油料作物の生産量を大幅に増やす必要があると提起しました。また、米農務省のデータによると中共は現在、大量の穀物を継続的に輸入しています。この一連の動きの背後にある目的は何なのでしょうか。

昨年12月25日と26日、中共は北京で中央農村工作会議を開催し、2022年の食糧生産量を6億5千万トン以上で安定的に確保する必要があると提起しました。

会議では食糧安定供給の保証が強調され、耕作面積と生産量の安定化を図る以外にも、大豆と油料作物の生産量の拡大が特に必要だとされました。

27日に行われた全国農業農村庁局長会議でも、食糧の安定生産にあらゆる手段を講じ、大豆と油料作物の生産拡大は来年中に必ず実現しなければならない重大な政治任務だと再び提起されました。

台湾の財政・経済専門家 黄世聰氏
「中国の需要量は莫大だ。たとえば養豚には大量の大豆かすが必要だし、食用油のほとんどは大豆から作られている。これ(生産拡大)は本当に気の遠くなるほど長い道のりだ」

農業農村部は、2019年の時点ですでに大豆生産振興計画の再開を宣言していました。

中国メディアが引用したデータには、2021年の全国大豆作付面積は686万1000ヘクタールまで減少して前年から26.62%減少し、生産量も過去5年間の最低レベルまで落ち込んだことが示されています。

台湾の財政・経済専門家 黄世聰氏
「供給量を増やそうと思っても作付けには数年の時間が必要だし、作付面積(を増やすの)も数年かかる。森林を開墾して、あるいは今ある果樹を伐採してから作付けするとしても、ある程度時間がかかる。短期間で実現できるようなことではない」

中共国家統計局は12月上旬に、中国の食糧生産は18年連続の豊作となったとして、2021年の総生産量は前年比2%増の6億8285万トンに達し、過去最高を記録したと発表しました。

しかし、中共税関総署のデータによると、2021年1月から10月までの食糧輸入量は累計1億3796万トンで、前年同期比で約23%増加しており、食糧総生産量の上げ幅の11倍増加となっています。

大紀元コラムニストの王赫(おう・かく)氏は、中共が発表したデータは信憑性が低く、食糧備蓄システムには腐敗がはびこっているうえ、食糧には鮮度保持期間が短いという特性があることから、無駄な備蓄が多く行われていると指摘しています。

大紀元コラムニスト 王赫氏
「中共の食糧生産量はでたらめだ。中国の食糧備蓄は国家機密のデータだ。そのため、現在は中共当局のデータに基づいて分析しているが、大きな誤差が存在している」

日経新聞は12月22日、中国が穀物の買い集めを加速化していると報じています。米農務省の統計データによると、トウモロコシをはじめとする中国の主要穀物の備蓄量はすでに世界在庫量の半分以上を占めています。

米農務省は中国の食糧備蓄量が世界在庫量に占める割合は、2022年前半までにトウモロコシが69%、コメが60%、コムギが51%に達すると予測しています。

なぜ中国は、これほど大量の食糧を確保する必要があるのでしょうか。

台湾の財政・経済専門家 黄世聰氏
「ここ数年の国際情勢はかなり不安定だ。中国は米国や豪州といった過去の主要な食糧輸入国といろいろ不愉快なことになっている。だから中国は当然、手を尽くして食糧を備蓄し、高い壁を築こうとする。どのみち備蓄できるならできる限り備蓄する。だが私は、主な目的はやはり国際情勢の変化によって中国に対する圧力が形成されるのを警戒しているのだと感じている。これには各国が(中共に)抵抗するために手を取り合っていることや、(中共を)封鎖するために団結していることも含まれる」

中共税関総署のデータによると、米国、ブラジル、その他の食糧輸出国から調達した大豆、トウモロコシ、小麦の過去5年間の輸入量はすでに2倍から12倍に増加しています。牛肉、豚肉、乳製品、果物の輸入量もこれに同期して2倍から5倍増加しています。

大紀元コラムニスト 王赫氏
「自国の食糧では足りないのだ。中共当局はこのことについて自信がない。だから対外的に大規模な食糧輸入を行っている」

中共は最近、家庭での備蓄を積極的に推奨し、食糧ロスと無駄を減らすよう頻繁に宣伝しています。王赫氏は、この一連の動きは、中共の抱える深刻な内政・外交危機を反映したものだと考えています。限りある外貨準備を使ってできる限り備蓄するしか、食糧危機が社会に与える衝撃に対応できないからです。

愛知大学名誉教授で中国農業経済学専門家の高橋五郎氏は「中国は農地の分散化や土壌の汚染で生産性が低い。都市部への農民の流出もあり、生産量は今後も伸び悩む」と述べています。

 
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