北京五輪まで1か月切る 人権・感染・環境…消えぬ懸念の声

北京冬季五輪開幕まで、残り一か月を切りました。中国における感染状況への懸念や、人権問題への批判の高まりをよそに、中共政権は予定通り2月4日から20日までの日程で北京五輪を開催する方針を示しています。

昨年12月6日、米政府はいち早く北京五輪への外交的ボイコットを表明しました。新疆ウイグル自治区における中共当局による人権侵害を理由に、自国の政府関係者を派遣しないとしています。一方、選手団は通常通りに派遣する方針です。

米国に続き、英国、カナダ、豪州なども相次ぎ外交的ボイコットを表明しました。

欧州連合(EU)加盟国のうち、外交的ボイコットを表明している国は、現在リトアニアのみとなっています。

ドイツのアンナレーナ・ベアボック外相とナンシー・フェイザー内務・スポーツ担当相は、個人的な決断として、北京五輪に出席しないと表明しています。

一方、中共当局は現在、五輪の準備に追われています。1月3日には、北京市のメダルプラザで、大会のスタッフによる表彰式のリハーサルが行われました。

昨年9月、国際オリンピック委員会(IOC)は、観戦チケットは中国本土在住者にのみ販売する方針を示しました。しかし、チケットの販売方法などの具体的詳細については、現在も発表されていません。

また、ワクチン接種が完了していない選手は、21日間の隔離が義務付けられています。

中共当局は、感染防止対策として「クローズド・ループ管理システム(バブル方式)」を採用しています。

IOCの説明によると、ワクチン接種を完了した選手や大会関係者は、中国に到着後すぐに同管理システムに登録されることになります。14日以上前に接種を完了していない選手は隔離措置を受けることになります。

同管理システムでは、外部との接触を避けるため、選手や関係者は競技場、練習会場、宿泊施設などの「クローズドループ」と呼ばれる大会関連施設以外には原則移動できません。また、同管理システムに登録されていない者は、ループ内に入ることができないと規定されています。また、選手や参加者にはPCR検査を毎日実施することが義務付けられています。

中国では感染状況のほか、北京市の大気汚染などの環境問題も懸念されています。北京市ではたびたび深刻なスモッグが発生しています。

中共の習近平総書記は、環境に配慮した五輪を開催すると強調しています。しかし、中共の生態環境部(MEE)は依然深刻なスモッグのリスクについて警告を発しています。

 
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