複数の中共の官制メディアは最近、昨年11月にリトアニア国内に開設された台湾の事実上の大使館めぐり、リトアニア大統領が後悔していると表明したことについて報じています。NTDはリトアニアの国会議員に詳細を取材しました。
リトアニアのギタナス・ナウセダ大統領が「リトアニアに『台湾』の名称を用いた代表機関の開設を許可したのは過ちであった」と発言したことについて、中共の官制メディアは歓迎しています。
しかし、中共の官制メディアは、その詳細については伝えていません。リトアニアの国会議員であり、親台グループの代表でもある議員は最近NTDに対し、大統領がなぜこのような発言をしたのかを説明しました。
リトアニア国会議員 マタス・マルデイキス氏
「我が国の大統領は、台湾との関係に非常に前向きです。問題は、大統領府と政府機関、外相の事務所との対立関係にあります。これは内政の問題や協調に関する問題です。台湾がどうかなどとは全く関係がありません」
マルデイキス氏は、大統領の発言が台湾に誤ったメッセージを送ってしまったことを残念に思っていると述べています。
「台湾」の名称を用いた代表機関の開設を許可して以降、リトアニアと中共の関係は急激に冷え込みました。
また最近、リトアニアと台湾は、経済協力の緊密化を進めています。中共政権によりリトアニア製品の中国への輸入が一部停止され、リトアニア産業が経済的圧力にさらされたことを受け、駐リトアニア台湾代表処は1月5日、リトアニアの産業へ投資し、双方の貿易関係を促進するため、2億ドル規模の基金を設立すると発表しました。
マルデイキス氏は、台湾との協力関係を成功させることが重要であると述べています。
リトアニア国会議員 マタス・マルデイキス氏
「私たちからすれば、リトアニアと台湾の協力が成功することを示すことが重要です。成功すれば、中国に依存する必要がないという、他国への非常に強いメッセージになります」
中共政権は、リトアニア産のラム酒2万本の輸入を停止するなど、経済的圧力を強めています。しかし、この事態を知った台湾企業がラム酒を買い取り、今月末には台湾の市場に投入される予定です。
マルデイキス氏は、リトアニアは台湾の人々や政府のサポートに非常に感謝していると述べました。また、民主主義国家は互いに支え合うことが重要であると強調しています。