男子テニス世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ選手(セルビア籍)が6日、ワクチン接種を巡り豪州への入国を拒否されました。弁護団が意義を申し立て、強制送還の差し止めを求める訴えを裁判所に起こし、10日、現地裁判所がジョコビッチ選手の入国を認めました。
ジョコビッチ選手の弁護団が裁判所に提出した書類によると、ジョコビッチ選手は昨年12月16日、PCR検査で陽性判定が出ましたが、その後回復しました。12月30日に豪テニス協会の最高医療責任者から、感染から回復したため、ワクチン接種の免除資格があり、試合に出場できるとする通知を受け取りました。
ジョコビッチ選手は17日に開幕する全豪オープンに出場するため、6日にメルボルンの空港に到着しましたが、入国時にワクチン接種の証明書がなかったため、ビザを取り消され、入国を拒否されました。ジョコビッチ選手の弁護団が直ちに意義を申し立て、入国禁止措置の撤回を求める訴訟を起こしました。ジョコビッチ選手は難民関連のホテルに収容され、行動が制限されていました。
一方、ジョコビッチ選手の支持者やワクチンの強制接種に反対する人々が、連日ジョコビッチ選手が滞在しているホテルの外に集まり、豪政府の対応に抗議し、ジョコビッチ選手への支持を表明しました。
現地裁判所は10日、ビザ取り消しの決定を覆し、ジョコビッチ選手の入国を認め、収容施設からの即時解放を命じました。
今年34歳のジョコビッチ選手は男子テニス世界ランキング1位で、今年の全豪オープンでグランドスラム通算21勝目を目指しています。ジョコビッチ選手はまた、ワクチン義務化に強く反対しています。今回の入国拒否事件は、スポーツの枠を超えて、政治や外交にまで波紋を広げ、世界各地のワクチン義務化に対する抗議活動の新たな火種となりました。