北京冬季オリンピックを間近に控えた今、天津市でオミクロン株の感染が急激に広がっています。データによると、今回の感染拡大の前に大勢の人が天津から北京入りしています。中共は今、非常に難しい局面に立たされています。北京オリンピックまで1か月を切った今、北京の入り口とも言われる天津で、オミクロン株の感染が広まっているためです。
天津市では1月8日に初のオミクロン感染者が見つかってから、1月9日21時までの間に、陽性者数が40人に増えました。しかし、実際の人数はこの数をはるかに上回っているとの見方があります。
天津市内の公共交通機関は運休となり、一部学校やショッピングモール、娯楽施設は閉鎖され、市民は「必要でない限り天津から出ない」よう規定されました。
また、天津市民1400万人がPCR検査を受けるよう求められています。市民は検査のために毎晩長い列を作り、一部検査ステーションは人であふれています。
時事政治アナリスト 章天亮博士
「全員を対象としたこのPCR検査はあまりにもひどい対策だ。昆明第三医院救急科の張敬玲という看護師長は取材に対し、西安市の感染者の半数以上が、PCR検査中に感染した人だと話している」
天津が西安のように都市封鎖されるのではないかと憂慮した市民が野菜市場に殺到し、ほとんどの陳列棚が空になってしまいました。天津市疾病予防コントロールセンター副主任の張穎(ちょうえい)さんは9日、感染経路から考えると、ウイルスは少なくとも3代を経て広まっており、すでに一定の間、居住区で感染が続いている可能性があると述べています。
また、天津のオミクロン株はすでに河南省安陽市にまで広まっています。安陽市当局は10日、現地発生の陽性者2人は天津市の感染者と同一の感染経路に属するのは事実だと発表しました。安陽市の寄宿学校では10日までに、9人の感染者が確認されたため、小学生など4040人が大型バスで隔離施設に送られました。
百度(バイドゥ)人口移動マップによると、感染拡大の一週間前に天津から移動した人の主な行先は北京です。多くの天津市民が北京に通勤しており、北京と天津の間は高速鉄道で最短35分です。
時事評論家 唐靖遠氏
「北京天津間は人の往来が激しいため、これは個人的な見解だが、現在の北京市内にすでにオミクロン株が存在しているのはほぼ間違いないと考えている」
2月4日から北京で冬季オリンピックが始まります。時事評論家の唐靖遠氏は、このタイミングで天津で感染が拡大したことで、中共当局は進退きわまったと述べています。
時事評論家 唐靖遠氏
「天津で感染が拡大してそれが北京まで広がってしまうと、北京でも感染が拡大する。もし彼ら(中共)が他の都市と同じように都市封鎖という手段を取った場合、冬季オリンピックが『北京冬季防疫ライブ中継大会』になってしまうに等しい。これでは冬季オリンピックとは呼べなくなる。国際世論の焦点が移ってしまうと、彼らにとっては失敗と言える。だが一方で、今講じている厳格な感染防止対策を採用しなかった場合、感染が急速に広まるのは間違いなく、最終的には制御不能に陥る可能性も高いと考えられる。最終的にはこちらも、このオリンピックをダメにする可能性がある」
現時点で、北京市では新たな感染者は報告されていません。