北京冬季オリンピックを控え、ドイツの反ドーピング機構は、大会に参加する選手に対し中国産の食肉を食べた場合、ドーピング規則に抵触する恐れがあると警告しました。
米国の投資情報誌『バロンズ・ダイジェスト』など複数のメディアがAFPのニュースとして、「ドイツの国立反ドーピング機構(NADA)は10日、選手に対し、中国産の食肉にはクレンブテロール(clenbuterol)やラクトパミンといった肥育促進剤が含まれている恐れがあると警告した」と報じました。
同機構は「可能であれば食肉の摂取を避けて、栄養士と代替品について話し合うべきだ」と発表しています。
AFPはさらに、反ドーピング機構は以前から、中国産の食肉には禁止薬物の汚染リスクがあると警告していたとも報じています。
昨年3月15日の世界消費者権利デーに中共の中央電視台は、毎年約70万頭の羊を出荷する重要な羊の産地である河北省滄州市青県(せいけん)の一部の肥育農家が、使用禁止とされているラクトパミン、サルブタモール、クレンブテロールといった肥育促進剤を使用しており、約10年もの間、複数の省や市で販売されていたと報じました。
新唐人テレビは2011年の時点で、河北省青県で見つかった肥育促進剤を投与された羊の一群の出所は、山東省徳州市慶雲県だったと報じています。
実際のところ、こうした肥育促進剤の成分を含む食肉が原因で、試合に参加できなくなる中国人選手は珍しくありません。
中国メディアは2016年、中国の反ドーピングセンターは当時、反ドーピング規則に違反した選手17人全員の陽性反応は肥育促進剤が原因だったと報じています。
2011年、中国の水泳選手の寧澤濤(ねい・たくとう)選手は肥育促進剤が原因の陽性反応が出たために、国際水泳連盟から1年間の大会参加資格抹消を言い渡されました。
また欧州の自転車ロードレース、ツール・ド・フランスの元チャンピオンでスペイン人のアルベルト・コンタドール選手も2010年、体内から微量の禁止薬物クレンブテロールが検出されたため、2年間の出場停止とタイトル剥奪処分が下されています。