台湾の国家通信委員会(NCC)は1月6日、台湾で販売されている中国製スマートフォンに検閲機能が組み込まれていることが判明したと発表しました。
ある中国製スマートフォンにプレインストールされている7つのアプリの中に、中共政権にとって敏感な言葉を検閲する機能が組み込まれていたといいます。
これらのアプリが内蔵されているスマートフォンは、中国の総合家電メーカー「シャオミ」が展開している「Mi 10T 5G」(ミー テンティー ファイブジー)で、現在米国を含む世界各国で販売されています。
これまでの米国の制裁措置により、中国の通信機器最大手であるファーウェイは、携帯電話の売上が大幅に減少し、苦境に立たされています。
そこで、ファーウェイが残した市場のギャップを埋めるべく、シャオミが登場したのです。しかし現在、シャオミもサイバーセキュリティの懸念から、同様の反発に直面しています。
台湾の今回の報告書によると、シャオミのアプリに内蔵された検閲ツールは、2,000以上の政治的に敏感なキーワードやフレーズをフィルタリングしています。
その中には、「フリーチベット」や「台湾独立」、中国共産党の指導者の名前も含まれています。
また、ユーザーは、これらの用語に関連するウェブサイトへのアクセスもブロックされます。
さらに、これらの内蔵アプリは、ブラウザの閲覧履歴を北京のサーバーに送信することもできるとのことです。
台湾の国家通信委員会はシャオミの台湾支社に対し、これらの懸念を伝えたとしています。しかし、シャオミ側はこれらの疑惑を否定しています。
シャオミは、アプリに内蔵されているツールは、暴力、ポルノ、ヘイトスピーチなどに関連する不適切なコンテンツの閲覧を防ぐために使用されているとしています。
中国のハイテク企業に対するサイバーセキュリティの懸念が指摘されているにもかかわらず、シャオミは昨年6月における世界のスマートフォン販売シェアランキングで1位となり、史上初めてサムスンとアップルを上回りました。
トランプ政権は2021年1月、シャオミを中共軍関連企業として、米商務省のエンティティリストに登録しました。
この制限は同年5月にバイデン政権がシャオミを中共軍関連企業リストから除外するまで続きました。
シャオミを問題視しているのは米国だけではありません。ヨーロッパでは、リトアニア政府が国民に対し、シャオミやファーウェイの中国製スマートフォンを買わないよう呼びかけ、すでに購入している場合は早いうちに処分するよう勧めています。
リトアニア国防省は昨年9月21日、これらの中国製スマートフォンに検閲ツールが組み込まれていることが判明したと発表しました。