米NBAチームオーナー ウイグル人権を巡る発言で反感を買う

米プロバスケットボールリーグ(NBA)チームのオーナーの一人である億万長者が、中国の人権問題を巡る発言で反感を買っています。この億万長者は、中国共産党が弱い立場にある少数民族を弾圧していることは誰も気に留めていないと述べたのです。

レポーター
「1月15日、米テクノロジー系ポッドキャストの「ザ・オールイン(The All-In)」の共同司会者であるソーシャル・キャピタル(Social Capital)社のCEO、チャマス・パリハピティア氏が、中国西部・新疆ウイグル自治区にある強制労働収容所にいるウイグル人のことなど誰も気にしていないと発言しました」

ゴールデンステート・ウォリアーズのオーナーの一人 チャマス・パリハピティア氏
「ウイグル人に起きていることを、誰も気にしていないのだ。あなたがそれを持ち出すのは、気にしているからであり、それはいいことだと思う。だが、他の人は気にも留めていない」

チャマス・パリハピティヤ氏は、米政府が最近、新疆ウイグル自治区の強制労働収容所からの製品の輸入を全面的に禁止したことについて取り上げた共同司会者に、このように述べました。同氏はさらに、この問題は自分の関心事の範囲外にあるとして、もっと注目すべき国内問題があると述べています。

ゴールデンステート・ウォリアーズのオーナーの一人 チャマス・パリハピティア氏
「私たちは、自分たちの問題を解決できるようになるまでは、彼らのことを優先することはない」

パリハピティヤ氏は、NBAのチーム「ゴールデンステート・ウォリアーズ」の株式を10%保有しています。球団の経営陣は「パリハピティヤ氏は限定的な投資家であり、彼の見解は球団の見解を反映するものではない」と回答しています。

このポッドキャストの共同司会者は、人権はグローバルな概念であり、米国ではオープンに議論することが許されているが、他の特定の国では許されていないと反論しました。

中国の人権問題に声を上げている数少ないNBA選手の一人であるエネス・カンター・フリーダム氏は「残念だ」とコメントし、多くの評論家も反論しています。

フリーダム氏は以前BBCのインタビューで、お金よりモラルを選ぶよう同僚を励ましていました。

NBA選手 エネス・カンター・フリーダム氏
「アスリートが各々のプラットフォームを利用して、声を上げられないすべての無実の人たちの声になることが重要なのだ」

フロリダ州のリック・スコット上院議員は、「共産中国はイスラム教を信仰しているという理由だけで無実の人々を投獄している。そして、沈黙は妥協するのと同じだ」と述べ、ウォリアーズの複数の選手にこのことについて非難するよう求めました。

米国をはじめとする西側諸国は、中共政権の新疆ウイグル自治区における弾圧政策をジェノサイド(大量虐殺)と位置づけています。

レポーター
「パリハピティヤ氏は、ポッドキャストを聴き直した後、自分は共感性が欠如している印象を与えたことに気づいたと語りました。パリハピティヤ氏は、自分の家族は以前、人権問題のある国から逃れてきたと述べました」

〈字幕版〉

 
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