新たに財務諸表が公開されたことで、米国の医療専門家が注目の的となっている。議論の的となっているのはアンソニー・ファウチ博士だ。
最近の財務状況の開示によると、ファウチ氏は中国企業に多額の投資をしていた。
1月14日に、ロジャー・マーシャル上院議員によって初めて公表された、ファウチ氏の2020年財務諸表によると、ファウチ氏は約1,000万ドル(約12億円)の投資を行っているが、その中には、マシューズ・パシフィック・タイガー・ファンドという特定のファンドも含まれている。
ファンドのファクトシートによると、資金の半分近く(42.7%)が中国と香港に拠点を置く企業に投資されていた。
それらの企業の多くは北京政権と関係があり、その政策による恩恵を受けている。
その中には、ハイテク企業のテンセント、オンラインショッピング大手アリババ、香港証券取引所、及び医薬品開発企業のウーシー・バイオロジクス(無錫薬明生物技術 )などが含まれている。
中でもテンセントは、ユーザーの個人情報の収集やオンライン活動の監視、検閲など、中共政権の要求に従順なことで知られている。こうした慣行は中国国外にも及んでおり、同社のメッセージングアプリ「WeChat」の米国をはじめとする世界各国のユーザーもその対象となっている。
テンセントの他にも、中国の電子商取引大手アリババは、サイバーセキュリティリスクとスパイ行為で、米国の捜査当局から告発されている。
今回の財務情報開示は、ファウチ氏にとって慌ただしい時期に行われた。
というのも、バイデン大統領の首席医療顧問として、パンデミックの対応に対する国民の信頼が低下しているさなかのことだからだ。
米上院は先週、ファウチ氏が「機能獲得」の研究について議会で偽証をしていたという指摘を受け、公聴会に召喚した。
ロジャー・マーシャル上院議員がファウチ氏の偽証は他にもあったと非難し、論争は今週も続いた。今回は財務情報に関するものだ。
マーシャル上院議員は声明の中で、次のように述べている。「ファウチ博士は、機能獲得の研究、マスクや検査などにおいて米国民を欺いたように、自身の財務情報を開示することについても、全く誠実さに欠けていた」
以前、ファウチ氏は自分の収益を40年近く公開してきたと主張していた。