ソフトパワー? 中国のトンガ支援に懸念の声

先日、南太平洋の島国トンガで海底火山が大規模噴火し、津波が発生しました。噴火により被災したトンガに対し、中国を含む数か国が経済援助を提供すると表明しています。

1月15日、トンガ沖で海底火山が噴火し、それに伴う津波により、沿岸部の建物が浸水する被害が出ています。

噴火発生の数時間後、ニュージーランド政府はいち早くトンガへの支援を表明しました。軍の輸送機により、7万ドル相当の支援物資が提供されました。ニュージーランドに続き、豪州日本の自衛隊なども、救援物資を輸送しました。17日、中共政権は中国赤十字会が緊急援助として10万ドルを提供すると発表しました。

しかし、中国による援助に関して、豪州とニュージーランドからは、懸念の声が上がっています。

豪シンクタンク、ローウィー研究所太平洋諸島プログラムディレクターのジョナサン・プライク氏は、ワシントン・ポスト紙に対して、ニュージーランド、豪両政府によるトンガへの支援に関して、中国を意識したトンガを巡る「ソフトパワー」ゲームの側面も伏在しているとの認識を示し、「トンガが必要とするいかなる救援にも積極的に応えるなら、もちろん中国を意識している」と指摘しました。

豪州のケビン・ラッド元首相は1月19日、Twitter上で「トンガに対する救援において豪州が先んじる必要がある。でなければ、中国が押し寄せてくるだろう」と投稿しています。

中共政権は以前、トンガに1億ドル以上の融資を行い、2006年の暴動で壊滅的な被害を受けた首都ヌクアロファの再建に寄与しました。しかし、膨張する債務負担により、トンガは深刻な財政問題に陥っています。

現在、トンガの対中債務は1億800万ドルに上っており、債務全体のおおむね3分の2に相当します。

 
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