中国弾道ミサイル専門家が米国に亡命 英メディアが報道

中国人弾道ミサイル専門家が、兵器に関する重要機密を持って米国に亡命したと英国メディアが伝えました。

英国の新聞「デイリー・エクスプレス(Daily Express)」は、英国秘密情報部(MI6)が昨年末、中国人弾道ミサイル専門家の北京から米国への亡命をほう助したと報じました。

デイリー・エクスプレスは、この研究者は中国の極超音速兵器開発のキーパーソンであり、今回の亡命が米国や英国の極超音速兵器防御計画の強化につながると報じました。また、今回の情報がもたらす影響を中共が完全に払拭するまで、おそらく2年はかかるだろうと分析しています。

この研究者の名前は明らかにされておらず、年齢は30代、中国航空工業集団に所属し、「極超音速兵器積載輸送システム」の研究開発に参与していたとだけ報じられています。この人物は、DF-17ミサイルを最大2000マイルまで運ぶことができる中距離極超音速滑空体の開発に携わっていたといいます。

DF-17は中共が開発した極超音速兵器で、飛行軌道が複雑であるため、迎撃が難しいという特徴があります。

米国防省の最新報告によると、米軍はすでに、極超音速兵器分野の発展を主要課題の一つとしています。英国も極超音速兵器の競争に参加していることが、最近明らかになりました。

消息筋によると、英国はこの研究者から極超音速弾道ミサイル作戦能力の一部の詳細を入手し、この分野における英国の研究開発を短期間で進歩させたとのことです。

この研究者の亡命理由については、イデオロギーが理由ではなく、自身の才能がより多くから認められるべきだと信じていたからだと報じられています。

報道によると、この研究者は、昇進が叶わず長年の不満を抱えていたところ、昨年9月末に香港の英国情報機関に接触したとのことです。

この研究者は仲介者に対し、自分が中国の極超音速技術の最新の発展状況を把握していることを伝えましたが、この件がいったん明るみに出たら極刑も免れないことを考慮して、自身と妻が政治的な庇護を受けられるよう要求しました。

その後、MI6が香港に特別チームを派遣してこの件にあたり、米国のCIAにも知らせました。

審査と調査を行った結果、MI6はこの研究者を信頼に値すると認め、最終的にこの研究者とその妻が特別ルートを通って元イギリス植民地に向かい、そこでこの研究者の把握している状況をMI6とCIAに報告し、技術データのコピーも提供するという計画を立てました。その後、研究者一家はドイツの米軍基地まで飛び、そこから米国に向かいました。

デイリー・エクスプレスは英外務省に対し、この亡命事件について問い合わせをしましたが、コメントを拒否されています。

一方、あるネットユーザーは、中共軍需産業システム内でのこのクラスの研究者は、本人と家族は当局の厳しい管理下に置かれているため、亡命したくとも逃げられないはずだと疑問を呈しています。

そのため、デイリー・エクスプレスが明かしたこれらの情報の真偽のほどについては、今後も注視していく必要があります。

 
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