旧正月の連休前に、中国では各地の不動産開発業者が工事費を滞納しているため、農民工への賃金未払いが発生し、激怒した農民工が企業を取り囲むなどして激しい抗議活動を行いました。
ある動画には、1月27日、重慶両江新区にある金科集団の本部ビルを債権者が取り囲み、大勢で広告パネルのようなもので一階フロアのガラスを割っている様子が撮影されています。
金科集団はその後、この日に賃金の支払いを求めた出稼ぎ労働者の数は100人余りだったが、この件は彼らの賃金未払いとは基本的には無関係であり、悪意ある支払い要求だったと回答しています。しかし市場では、金科集団は複数のサプライヤーから返済を求められているが、工事費の滞納により農民工に賃金の支払いができなくなっているとの話が広まっています。
業界に詳しい張さん
「全ての不動産会社は1月に入り、世茂集団(シーマオ・グループ)にせよ、緑地集団や融創中国(サナックチャイナ)にせよ、いずれも工事費の支払いが滞っていて、農民工が抗議に押しかけた。一部は農民工との話し合いを設けたが、金科集団は今回、対話を拒否した。それが農民工を怒らせて衝突が発生した。工事費の支払い遅延のほかに、リストラもあったので、この件が大きくなっている」
出稼ぎ労働者が起こしている未払い賃金支払い要求は、金科集団だけでなく、緑地集団、禹州集団、龍湖集団、藍光集団、美好置業(マイホーム・リアルエステート・デベロプメント・グループ)など複数の不動産企業でも発生しています。労働者らは、会社の受付を破壊したり、会社を取り囲んだり、賃金の支払いを求める横断幕を掲げるなどして大規模な抗議を行っています。
業界に詳しい張さんによると、中国で新しい建設プロジェクトに着工する際には一般的に、建築の請負業者とサプライヤーがまず費用を立て替えて、その後にデベロッパーが6か月以内に返済するという方法が行われています。
業界に詳しい張さん
「物件が売れたらあなたにお金を支払いますが、あなたからただで借りるわけではなく、利息を付けますよ、ということだ。問題は、不動産市場で物件が売れるかどうかだ。売れなかったら工事費を支払うことができなくなる」
業界に詳しい張さん
「民間企業だけが大規模なリストラを行い、大きな借金をしているわけではない。国営企業のプラットフォーム会社の開発業者でも工事費の支払い遅延が起きている。貴陽経済技術開発区の貴陽経宏(公司)などは出稼ぎ労働者だらけだ。政府の建設機関もすべて支払い遅延だ。あそこは今も農民工が集まっていて、金科集団同様、車も入れないほどだ」
中共国務院の李克強総理は昨年12月24日、農民工が苦労して稼いだ賃金の支払いを遅らせてはならないと強調しました。しかし、年越し前の中国各地では、出稼ぎ労働者が次々と横断幕を掲げ、抗議の声をあげました。