EU 中共の影響力工作に警告

欧州議会の特別委員会は、外国の代理人がEU諸国にどのような影響を与え、破壊しているかについて、約1年半にわたり調査してきました。フランスの軍事シンクタンクの所長は、中共の影響力工作の脅威をEUがさらに理解するための希望がある理由を語っています。フランスからの報道をご覧ください。

中国共産党がEU諸国にどのように浸透し、影響を与えようとしているのかが、欧州議会でますますホットな話題となっています。

外国からの干渉と偽情報に関する欧州連合(EU)特別委員会は、1年半前に開始した調査をこのほど終了しました。

同委員会では、これまでに約50回、約130人の専門家による聞き取り調査を実施しました。

同委員会は、外国の代理人が民主主義のプロセスを侵害し、破壊するさまざまな方法について調査しています。委員会は、中国を含む政府関係者だけでなく、組織にも焦点をあてています。

ジャン・バティスト・ジャンジェーヌ・ヴィルメール氏は、仏軍事学校戦略研究所(IRSEM)の所長です。ヴィルメール氏は、委員会の結論の一部に言及しました。

仏軍事学校戦略研究所所長 ジャン・バティスト・ジャンジェヌ・ヴィルメール氏
「委員会が提案した施策は次の通りだ。地政学的な道具として使われる中国の海外への直接投資に対して、融資の代替手段を提供する。つまり、彼らは中国の影響力工作を気にしていることがわかる。もう一つは、欧州の政党への外国からの資金提供を禁止することだ」

9月20日から21日にかけて、ヴィルメール氏の研究所は、650ページに及ぶ中国(共)の影響力工作に関する報告書を発表しました。

この報告書には、中国共産党が外国で影響力を行使するための主要な戦略が、詳しく記されています。例えば、カナダ豪州のように選挙制度に直接干渉することについて言及しています。

報告書ではまた、中国共産党がいかに元政治家と手を組んだり、時には勧誘したり、国会議員を中国に招いたりするかといった例も挙げられています。

これにより、中国共産党は外国に関する情報や諜報を入手することができ、さらに中国企業が外国市場に参入するための門戸を開くことができるのです。

仏軍事学校戦略研究所所長 ジャン・バティスト・ジャンジェヌ・ヴィルメール氏
「また、委員会からの提言の一つに、中国共産党が引退直後の政治家を登用することを難しくするものがある。台湾では、元将軍の問題がある。これらの将軍たちが引退すると、中国(共)から彼らのために働かないかと誘われる。彼らはお金をもらって、国内の現役軍人の同僚の情報を提供しているのだ」

レポーター
「特別委員会の委員長は、中国でのウイグル人迫害に反対する声を上げているラファエル・グラックスマンにほかなりません。このため、ジャンジェヌ・ヴィルメール氏は、欧州における中国の影響力に対する委員会の警告が、今後の政策に影響を与えることを期待していると述べています。もしそうなら、EU議会は中国の影響力に対して、ますます重要な声となることを意味します」

〈字幕版〉

 
関連記事